いびきの原因は体だけじゃない?正しい枕選びと危険ないびきの豆知識

2018/2/2 記事改定日: 2018/6/15
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

いびきは、気道が狭くなってしまうことで起こります。気道が狭くなる原因はさまざまありますが、枕が重要な要因になることをご存知でしょうか。この記事では、いびきの原因と正しい枕選びのポイントについて解説しています。

いびきの原因は?なぜあんな音が出るの?

いびきは、就寝中に何らかの原因で気道が閉じたり、狭くなったために、その間を呼気や吸気が勢いよく出入りし、のどの内壁を震わせることによって起きます。
いびきをかいていると、その音で周囲に迷惑をかけるだけでなく、自身も寝不足になりやすいです。昼間起きているときにも意識レベルが低下して集中力が欠け、ひどいときには運転中に居眠りをして交通事故を引き起こしかねず、大変危険です。

原因:のどの形状

気道が狭くなる原因としては、生まれつきののどの形状によることもあります。たとえば口蓋垂(のどちんこ)が大きめ、あるいは軟口蓋弓(のどの入口)が狭く変形していたりする人は、いびきをかきやすい体質といわれています。また、よくない歯並びや、曲がった鼻筋の影響で、いびきが出やすくなることもあります。

原因:肥満

気道が狭くなる原因のひとつに、肥満があります。肥満体型の人はのどの内壁に脂肪がついて気道が狭くなりやすいため、やはりいびきをかきやすくなります。

原因:酒・タバコ

酒を飲み過ぎて酔っ払って寝ているときは、舌の筋肉が緩んでのどのほうへ落ち込んでしまいやすく、いびきを一時的にかきやすくなるとされ、タバコを吸いすぎで気管が炎症を起こしているときもいびきがでやすいといわれています。

原因:ストレス

ストレスがいびきの原因になることもあります。
継続的にストレスを感じる状態になると、自律神経のバランスが乱れ、交感神経が活発に作用するようになるため、全身の血管が収縮して血行が悪くなります。

このことが原因で脳への血流が少なくなり、私たちの体ではそれを補おうとする力が働いて、より多くの酸素を取り込むことができるように鼻呼吸から口呼吸をするようになります。特に睡眠中は無意識にこのような力が働きやすく、結果としていびきを引き起こすことがあります。
また、自律神経の乱れは筋肉を弛緩させることがあり、のどの周りの筋肉が弛緩すると睡眠中に舌がのどの奥に落ち込む原因となり、いびきを引き起こすことも知られています。

合わない枕がいびきの原因になるって本当?!

いびきをかいてしまう原因のひとつとして「枕」が考えられます。これは枕の高さで首の角度が変わってしまうと、首の中を通っている気道も変化するからです。

その人の後頭部の形状や首の太さなどによって、適した枕の高さ(厚み)も変わってきます。枕が高すぎると、首が前に曲がり、顎が手前を向くので、気道が圧迫され、いびきが出やすくなります。
また、枕が低すぎても、後頭部が下がり、口が開きやすくなるので、鼻呼吸よりも口呼吸が優位になって、やはりいびきが出やすくなるのです。

自分に合った枕を選ぶポイントとは?

枕が高すぎて、肩や背中が敷き布団にきちんと接していない状態になると、十分な睡眠が取れなくなるといわれています。実際に普段寝るときと同じ体勢をとって枕に頭を乗せて、寝返りをうっても気道が塞がれて苦しさを感じることがないことを確認しましょう。

たとえ、枕の高さがちょうど良くても、寝相がよくなくて、枕から頭が落ちやすくなると意味がありません。横長のものを選んだり、頭の位置が安定しやすい形状の枕を選ぶようにしましょう。また、素材が柔らかすぎると沈み込んで、就寝中に口が開きやすくなり、いびきにつながります。寝ている状態で首がまっすぐに保たれる程度の硬さのものを選ぶようにしましょう。

病気が原因のいびきもあるの?

何らかの病気の症状としていびきが現れることもあります。

代表的な病気は、「睡眠時無呼吸症候群」です。
これは、睡眠中、断続的に呼吸が停止する病気で、おおきないびきが生じるだけでなく、良質な睡眠が得られないことで日中の眠気や注意力散漫などの症状が引き起こされます。

また、心筋梗塞や脳卒中のリスクが上昇することがわかっており、これらの病気に発展した場合は適切な治療が必要となります。また、声帯付近や鼻の中にできたがんが空気の流れを妨げていびきの原因となることがあります。
他にも、くも膜下出血を始めとした脳内の出血や脳梗塞、脳腫瘍などの前兆症状としていびきが生じることもあり、これは呼吸を司る脳幹や呼吸筋を支配する神経がダメージを受けることで、正常な呼吸が行えなくなることが原因と考えられています。

おわりに:枕を選ぶときは、高さや柔らかさ、大きさなどを妥協せず吟味して選ぼう

枕はつい、安さやデザイン、素材感などで選んでしまいがちですが、いびきを防ぐためにも、頭から背中のラインがちょうどまっすぐになる高さで、枕から頭がズレ落ちにくく、沈みこみすぎない枕を選ぶようにしましょう。
また、生まれつきのどや鼻の形状がいびきをかきやすいものだったり、何らかの病気の症状としていびきが出ている場合は、治療が必要になることもあります。
長く続くいびきは放置せず、早めに病院で診てもらいましょう。

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