肩関節周囲炎(五十肩)の段階に合わせた運動療法を知ろう!

2018/2/19

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

肩関節周囲炎は、肩を動かすと激しい痛みが出ることで知られる症状です。この症状が出てきた場合、どのように対処すればよいのでしょうか。この記事では、肩関節周囲炎の運動療法について解説します。

肩関節周囲炎(五十肩)はこんな状態

肩関節周囲炎(五十肩)は、主に中年期以降に発症することが多い肩の炎症です。肩関節を動かすと痛みが出るため、日常生活が不便になることがあります。また、痛むからといって動かさずにいると、関節の動きがさらに悪化することもあります。
関節は骨だけでなく、軟骨、靭帯、腱からできており、それぞれの役割を果たしながらスムーズに動くようになっています。しかし、老化によってこれらの組織に炎症が起こると、肩関節周囲炎を発症します。また、肩関節には関節の動きをよくする袋(肩峰下滑液包)や関節を包む袋(関節包)があり、この袋が癒着して動かしにくくなることもあります。

代表的な症状と、肩関節周囲炎(五十肩)の段階について

肩関節周囲炎になると、肩を動かした時に痛みが出るようになります。特に、腕を上にあげる動作をするときに痛みが出るため、髪の毛を整えたり、荷物を上に挙げたりする動作が難しくなります。また、服を着替えるときに腕を背中へ回すときにも強い痛みが出ます。
肩関節周囲炎は、段階によって分類されています。痛みが非常に強い時期は炎症期で、安静にしていても痛みがあります。そして、夜間も痛みが続きます。次に拘縮期があり、これは痛みがあるために動かさずにいたら、肩周りの動きが悪くなってしまった時期です。そして最後に回復期が来て、痛みや動きの制限が徐々に改善していきます。

肩関節周囲炎(五十肩)の段階ごとの運動療法とは?

肩関節周囲炎には運動療法が効果的ですが、病状の段階に合った方法で行うことが重要です。
炎症期は痛みの状況を見ながら、可動域を広がる運動やストレッチを行って筋肉や関節が硬くなることを防ぎます。拘縮期には積極的に運動して可動域を広げつつ、個々の状況に合わせて必要な動きを練習します。そして、回復期には運動療法で肩関節の可動域をさらに拡大させるだけでなく、筋力の強化や肩甲骨を安定させるトレーニングを行います。
これらの運動療法を行う時に大切なのは、必ず医師や理学療法士、トレーナーの指示に従って取り組むことです。肩関節周囲炎の症状には個人差があるため、自分の症状に合わせたトレーニングを行うことが重要です。また、無理に動かした結果、ケガしてしまうことも防ぐことができます。

放置すると関節が動かなくなる危険性も・・・早めに治療を始めることが大切

肩関節周囲炎は、発症しても時間の経過と共に自然に治ることがあります。しかし、放置しているうちに症状が強くなり、肩関節を全く動かせなくなる時期が長引いた結果、関節が固まって動かなくなることもあります。関節が固まってしまうと、再び動くように戻すのが難しくなります。自然に治る可能性があるからといって、放置するのは非常に危険です。反対に、自己判断で関節を動かした結果、かえって病状が悪化してしまうこともあります。したがって、肩関節周囲炎を発症したと感じたら、早めに病院で診てもらい、必要があれば適切な治療を始めることが大切です。症状が軽いうちに治療を始めると、病状が悪化するのを防ぐことができます。

おわりに:肩関節周囲炎の症状に合った運動療法を行うことが大切

肩関節周囲炎を発症した場合、症状(急性期、拘縮期、回復期)に応じた運動を行うことが大切です。自己判断でむやみに肩を動かさずに、医師や理学療法士などの指導のもと、適切な運動療法を行いましょう。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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