扁平苔癬(へんぺいたいせん)は口腔と皮膚にできる?治療方法は?

2018/2/16 記事改定日: 2018/8/9
記事改定回数:1回

記事監修医師

日本赤十字社医療センター、歯科・口腔外科

川俣 綾 先生

扁平苔癬(へんぺいたいせん)とは、ほほの粘膜や舌、歯ぐきに白い角化性の病変があらわれる症状です。また、皮膚にも現れることがあります。
扁平苔癬はがん化することがあるといわれており、見つかった場合は早めに治療するのが賢明です。それでは、発症した場合にどのような治療がなされるのでしょうか。

扁平苔癬(へんぺいたいせん)とは?

扁平苔癬(へんぺいたいせん)は、口腔がんになる可能性もある粘膜疾患です。頬粘膜(きょうねんまく)や舌、ときには歯肉といった口腔粘膜に、白い角化性の病変があらわれることが特徴です。病変はこすってもはがれません。扁平苔癬ができやすいのは頬の粘膜で、舌、口唇(特に下口唇)、口蓋、歯肉に発症することもあります。
扁平苔癬は炎症性の病変なので、疼痛がもっとも多い自覚症状です。また、口腔の荒れや出血、不快感、味覚異常、灼熱感などを伴うこともあります。炎症性病変であるため、症状が良くなったり悪くなったりを繰り返すこともあります。

扁平苔癬の原因は何?

扁平苔癬は診療機会も比較的多い口腔粘膜疾患ですが、原因はまだ明らかになっていません。ただ、外傷性、細菌性、梅毒性、寄生虫性、ウイルス性、糸状菌性、アレルギー性、中毒性、神経または神経原性、遺伝性など、様々な原因が考えられています。

扁平苔癬の症状を悪化させる要因として考えられるのは、C型肝炎、口腔内刺激および喫煙などです。虫歯や歯周病、入れ歯の不適合なども扁平苔癬を悪化させると考えられるため、口腔内を刺激するような辛味の強い食べ物を控えたり、口腔内の環境を清潔に保つことが大切です。

代表的な治療薬とは

扁平苔癬は原因不明の疾患であるため、対症療法的な治療が行われます。代表的な処方薬として、ステロイド軟膏、ビタミンA製剤、アルカロイド製剤、タクロリムス軟膏、マレイン酸イルソグラジンなどがあります。

ステロイド軟膏は、最も用いられることが多い処方薬です。抗炎症作用で炎症を抑え、痛みを取り除く効果があります。ビタミンA製剤は、ビタミンAの効果(粘膜などを正常に保ち、乾燥などから守る)を得ることを目的として服用します。アルカロイド製剤は抗アレルギー作用をもつほか、末梢血管を拡張して血液の流れを改善し、病変部に栄養を供給する効果があります。タクロリムス軟膏は免疫の抑制を促す効果があるため、扁平苔癬を抑えることができます。そしてマルレイン酸イルソグラジンは、血液の流れをよくしたり、傷ついた粘膜の回復を促す効果がある薬です。

扁平苔癬は漢方薬で治療することができるの?

扁平苔癬の治療で、上記に上げた治療薬とともに漢方薬を服用することもあります。漢方薬には免疫作用、抗炎症作用があり、特に、十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)、麦門冬湯(ばくもんどうとう)、黄連解毒湯(おうれんげどくとう)、小柴胡湯(しょうさいことう)などは、扁平苔癬に効果がある漢方薬であるとされています。
ただし、漢方薬は長期的に服用して効果を得られるもののため、専門医の診察のもとで服用することが大切です。

扁平苔癬は、手や足・爪にできることもある

扁平苔癬は口腔内以外にも、手や足、腹部、陰部、爪など顔面以外の全身いたるところにできることがあり、皮疹は通常、左右対称に現れます。
まずは小さな丘疹から発症し、それらが癒合して色素沈着や角化が見られます。かゆみを伴うことが多く、皮膚を掻いて損傷した部位から新たな丘疹が生じる「ケブネル現象」が生じるのも特徴です。

進行すると、皮疹以外にも斑状の脱毛や爪の喪失など様々な症状が引き起こされます。
治療方法はステロイドやビタミンAの投与が行われますが、皮疹が一部に限局している場合には、ステロイドの軟膏や局所注射などが行われます。一方、皮疹が全身にあるような場合には内服治療や光線療法、免疫抑制剤の投与などが行われることもあります。

おわりに:扁平苔癬の治療ではステロイド軟こうやビタミンA製剤などが使われる

扁平苔癬を発症する原因はまだ明らかではないため、対処療法が行われます。治療では、炎症を抑えるための薬(ステロイド軟膏)や粘膜を正常に保つもの(ビタミンA製剤)、抗アレルギー作用がある薬(アルカロイド製剤)などが使われます。

関連記事

この記事に含まれるキーワード

扁平苔癬(3) ステロイド軟膏(1) ビタミンA製剤(1) アルカロイド製剤(1) タクロリムス軟膏(1) マレイン酸イルソグラジン(1)