吐血と喀血(かっけつ)にはどんな違いがあるの?

2018/2/5

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

吐血も喀血も口から血が出ることですが、この2つにはどのような違いがあるのでしょうか。この記事では、吐血と喀血の原因や特徴の違いについて解説しています。

吐血と喀血(かっけつ)について

吐血と喀血は、どちらも口や鼻を通じて血が出ることです。どの器官から出血しているかによって、吐血と喀血に区別されます。

吐血とは

吐血は、基本的に消化管から出血した場合にみられます。消化管とは食べ物の通り道のことで、食道や胃以外にも、大腸や肛門などがあります。吐血は、消化管の中でも上部消化管といわれる食道、胃、十二指腸からの出血が原因でおこります。

喀血とは

喀血は、気管や気管支炎、肺などの呼吸器系の器官からの出血が口や鼻から出てきたものです。呼吸器は空気の通り道であり、そこから出血すると呼吸器が刺激されるため咳き込む場合があります。

吐血と喀血(かっけつ)の違いとは?

吐血と喀血の違いは、上記で説明したように「どこで出血したか」で分けられます。吐血は消化器系から、喀血は呼吸器系からの出血です。

吐血と喀血を見た目で判別するのは難しいですが、吐血は消化器系からの出血のため血が胃液と混ざることが多く、口から出たときの色は、黒っぽいコーヒーのような色になる場合が多いといわれています。また、血と一緒に食べたものがでてくることもあります。ただし食道静脈瘤の破裂の場合は、真っ赤な鮮血が多量に出ることがあるので注意が必要です。
喀血は呼吸器系からの出血のため、咳などと一緒に血が出てくることが多いといわれています。色は真っ赤で、あわと一緒に出てくることが特徴です。

吐血、喀血ともに体の異常を現すサインであり、大量に血を吐いた場合は緊急処置が必要です。また、血の色や量だけで重症度の判断はできません。安易に自己判断せず、早急に救急車を呼ぶようにしましょう。

それぞれの治療法を知ろう!

吐血、喀血ともに、どの部位から出血しているか、どんな原因で出血しているかによって治療法が異なります。

吐血を引き起こす主な疾病としては、胃癌、食道癌、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、マロリーワイス症候群などがあります。潰瘍とは、粘膜の表面が炎症してしまい傷ついた状態であり、胃潰瘍や十二指腸潰瘍になると潰瘍部分から出血することがあります。マロリーワイス症候群とは、食道と胃の境目が傷ついて出血してしまう病気です。

胃癌や食道癌の場合、大半は手術が検討されます。胃潰瘍や十二指腸潰瘍、マロリーワイス症候群でも手術が行われることはありますが、軽度のものであれば絶食と安静で回復を待つこともあります。ただし、病状の回復を促進するために止血剤等を使ったり、症状を抑えるための薬が処方されることもあります。

一方、喀血を引き起こす病気には、肺結核や気管支拡張症があります。気管支拡張症とは、様々な原因によって気管支が広がってしまい元に戻らなくなる病気です。治療法としては、酸素を投与し、症状に応じて薬を投与します。
肺結核の場合は、抗結核薬の服用が中心で治療が進められます。周囲に感染を拡げるおそれがあると判断された場合は、隔離のために入院が必要になることもあります。

おわりに:吐血も喀血も冷静に対応し、早急に病院へ

吐血、喀血ともに、口から血が出ます。口から血が出れば、多くの人は焦るでしょうでが、状況をきちんと把握し、適切な対処をすることが大切です。とくに病院を受診したときに症状などをうまく担当医に伝えられると、病院での対応がスムーズになります。血の色やどんな状態で出血したかを覚えておき、正しく伝えるようにしてください。
黒っぽいコーヒーのような色であったり食べ物と一緒に出てくれば吐血の可能性が高く、真っ赤で咳と一緒に出てきた場合は喀血の可能性が高いといえるでしょう。ただし、安易な自己判断は非常に危険です。吐血や喀血が出たときは、必ずすぐに病院へ行きましょう。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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