記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/2/5
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
仕事が控えているときの二日酔いは非常に辛いものです。二日酔い対策として「迎え酒」がすすめられることがありますが、本当に効果があるのでしょうか。この記事では、二日酔いの正しい対処法をご紹介します。
迎え酒は、飲み過ぎて二日酔いになったときに、症状を緩和するためにさらにお酒を飲むことです。
迎え酒は古くから言い伝えられている民間療法ですが、迎え酒で二日酔いの症状が軽減するというのは誤りとされています。症状が軽減していると感じるのは脳が一時的にマヒしているだけであって、二日酔いが改善しているのではありません。
二日酔い対策に効果的なのは迎え酒ではなく、水分補給です。二日酔いのときには、体が脱水状態になっています。そのため、まずは水分補給が大切です。電解質やブドウ糖が不足しているので、水分補給には経口補水液やスポーツドリンクを飲むことをおすすめします。失われている電解質やブドウ糖が補給できます
二日酔いのときには、運動をして汗をかくことでアルコールが抜け、二日酔いが解消するといわれることがありますが、科学的根拠はありません。二日酔いの症状がひどいときには脱水状態になっていることが多いため、水分補給をしっかりして安静に過ごすことをおすすめします。
大量のお酒を飲むと、アルコールを代謝するために肝臓を酷使されることになります。酷使された肝臓は疲れた状態になってしまいます。疲れた肝臓をもとに戻すためには、肝臓へ血液を回し、代謝に必要なエネルギーを補給する必要があります。そのために横になって安静にすることが重要です。二日酔いがひどいときには、まずは横になって安静にしましょう。
また、軽度の二日酔いであれば、軽くシャワーをあびたり、入浴してもかまいません。ただし、入浴前には十分に水分補給をするようにしてください。
市販されている二日酔いの薬は効果が期待できます。配合されている成分は、肝臓の機能に作用するものと胃の機能に作用するものとに分けることができます。
ウルソデオキシコール酸は、肝臓に作用し、胆汁の流れや肝臓機能を改善したり、肝臓の血流を良くしたりする効果があります。また、グリチルリチン酸は肝臓を保護する作用や抗炎症作用があります。
コンビニ等でよく見るウコンについては、クルクミンという胆汁分泌を促進させる成分が含まれています。ただし、コンビニで販売しているウコン飲料は医薬品ではないことは留意しておきましょう。
胃の機能に作用する薬としては、胃酸を抑える制酸薬や胃腸の粘膜を守る粘膜修復薬、弱った胃の機能を高める健胃薬が配合されている薬を飲むことをおすすめします。また、ケイヒやショウキョウなどの生薬も健胃作用が期待できるといわれています。
迎え酒や二日酔い時の運動など、効果がないのも関わらず昔からその効果が信じられてきました。二日酔い対策のためには正しい知識が重要です。安易に民間療法に頼ることなく、水分補給を十分にして、安静にすることで乗り切りましょう。