変形性関節症の治療法① 薬物療法について

2018/2/13

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

変形性関節症は、長期にわたって関節に負担がかかったために軟骨がすり減り、関節の腫れや痛みが生じる症状です。一般に、膝や股関節、脊椎に起こりやすい症状と言われています。変形性関節症を発症した場合、薬物療法と運動療法を行いますが、この記事では薬物療法について解説します。

変形性関節症とは

変形性関節症は主に膝や股関節、脊椎に起こる病気で、関節に長い期間にわたって負荷がかかることで軟骨がすり減り、関節の腫れや痛みが生じます。発症しやすい場所は決まっていますが、変形性関節症は体のどの関節でも起こる可能性がある病気です。
関節には骨と骨の間に軟骨というクッションの役割をするものがあります。軟骨があることで、骨同士がこすれあうことなく動くことができます。しかし、この軟骨が使い続けているうちにすり減ってきて骨同士がぶつかり合うようになってくると、腫れや痛みといった症状が出てきます。
変形性関節症は一次性関節症と二次性関節症に分類されています。一次性のものは原因となる基礎疾患がないもので、加齢や肥満が原因となって発症します。二次性のものは病気やけがなどが原因で発症するタイプで、関節リウマチや痛風、骨折などが原因で発症します。変形性膝関節症は一次性の変形性関節症が多く、変形性股関節症は二次性のものが多いと言われています。

どんな治療法があるの?

変形性関節症の治療法として、まず薬物療法があります。痛みがある場合には鎮痛剤を使用したり、ヒアルロン酸やステロイドを関節内に注射することで、関節の動きが良くなるようにするのと同時に炎症や痛みを抑えます。
しかし、薬物療法だけでは症状を食い止めることしかできないため、症状を改善させるためには運動療法を同時に行う必要があります。運動することで関節の動きをよくしたり、関節周囲の筋肉を鍛えたりすることができます。主に水中歩行やストレッチなどを行います。
そのほか、器具や補助具を使って関節の負荷を減らすという治療法もあります。足底板やひざ装具を使って、関節の症状がこれ以上進行することを防ぎます。
薬物療法や運動療法を行っても症状が改善しない場合には、最終的に手術療法を行うことがあります。手術療法は、関節の変形がひどい時などにも行われます。

変形性関節症の薬物療法と治療薬について

変形性関節症の治療のひとつである薬物療法ではさまざまな薬剤が使われますが、その中でも代表的なものに非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)があります。これはステロイドを使っていない消炎鎮痛薬の総称で、炎症による痛みや腫れを和らげる作用のある薬です。この薬には飲み薬のタイプのものがたくさんありますが、座薬や外用薬もあります。この薬が効いている間は痛みが和らいで関節を動かしやすくなるので、関節が固まってしまうことを予防します。
もうひとつの薬物療法が関節内注射です。これは関節内にヒアルロン酸やステロイドを注射する方法です。ヒアルロン酸は関節液に含まれる成分で、軟骨を保護したり、関節の潤滑油としての働きを果たします。ステロイドは炎症を抑える力が非常に強い薬なので、関節内に直接注射することで痛みを和らげる働きがあります。しかし副作用もあるため、使用する際は注意が必要です。

おわりに:変形性関節症の治療では消炎鎮痛薬や関節内注射が使われる

変形性関節症の治療では、運動療法や手術療法に加えて薬物療法があります。薬物療法では、炎症による痛みや腫れを抑える非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や、軟骨を守るために関節内注射などが行われます。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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