ライソゾーム病とは?どのような症状が出るの?

2018/2/15

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

ライソゾーム病とは、古くなった細胞を破壊する働きを持つライソゾームに含まれる分解酵素の中に、欠けているものがある場合に発症する病気です。この病気は遺伝性の病気と言われていますが、発症するとどのような症状がみられるのでしょうか。

遺伝性の難病・ライソゾーム病

ライソゾーム病は、細胞の中で異常なタンパク質を含めた様々な物質を破壊する働きを持つライソゾームに含まれる分解酵素が先天的に欠けているために発症する病気です。ライソゾームには何種類もの酵素があり、それぞれ特定のたんぱく質、脂質、糖などを壊すという特徴があります。このため、ライソゾーム病は欠けている分解酵素によって40種ぐらいに分類されます。
この病気は遺伝が原因であることがわかっており、両親ともに発症遺伝子を持っている場合は、生まれてくる子どもの4分の1が発症します。ただ、ライソゾーム病自体は非常にまれな病気で、10万人~20万人に1人が発症すると言われています。

ライソゾーム病の症状

ライソゾーム病の症状は、欠けている分解酵素の種類によって異なるものの、一般的には神経系の症状が多いと言われています。この病気は、生まれたばかりの頃は普通の赤ちゃんと変わらない状態で生まれてきます。しかし成長するにつれて、お座りができていたのに座れなくなる、歩いていたのに歩けなくなる、おしゃべりができていたのにできなくなる、痙攣する、といった症状があらわれます。こうした症状は乳幼児期にみられますが、場合によっては学童期にあらわれることもあります。
ライソゾーム病の特徴は、徐々に病状が悪化することです。また、神経系の症状が主なものですが、それ以外にも肝臓や心臓が大きく腫れたり、骨や関節が曲がったりといった症状があらわれることもあります。欠けている分解酵素の種類によっては、上記以外の症状が出ることもあります。

ライソゾーム病が進行すると?

ライソゾーム病は欠けている分解酵素の種類によって違いはあるものの、進行する病気であるという点は共通しています。発症する年齢にも差はありますが、いったん発症すると治療しない限り病状が進行していきます。治療法がある場合は、病状の進行を抑えるために治療することが大切です。
現在行われている治療として、造血幹細胞移植と酵素補充療法があります。造血幹細胞移植は、発症前の人や発症して間もない人に行う治療ですが、全てのライソゾーム病が対象になるわけではありません。また、酵素補充療法は現在開発が進んでいる治療法です。
ライソゾーム病の種類によっては治療法がないこともあり、その場合は神経や臓器が次第に悪化していきます。最終的には寝たきりの状態になってしまい、幼児期や小児期に死亡することもあります。

おわりに:ライソゾーム病は遺伝性の病気で、欠けている分解酵素の種類によって症状や治療法が異なる

ライソゾーム病は分解酵素が欠けていることが原因で発症する遺伝性の病気です。欠けている分解酵素の種類によって症状や治療法が異なります。この病気は乳幼児期から学童期の子供に発症するため、急に歩けなくなる、話せなくなるといった症状がみられたら、病院で診てもらうことが大切です。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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