変形性関節症の治療法② 運動療法、サポーターの使用、手術

2018/2/13

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

変形性関節症を治療するために、薬物療法とともに運動療法を行ったり、サポーターを使ったりすることがあります。この記事では、運動療法とサポーターについて解説します。

変形性関節症とは

変形性関節症は、関節軟骨の摩耗などが原因で痛みや腫れが生じる症状です。進行すると、関節の変形が起こる可能性があります。
骨と骨の間にはクッションの働きをする関節軟骨があり、ここに刺激などが加わると関節軟骨が摩耗していきます。そうなると、骨と骨が接触したり摩擦したりするため、関節内部にある滑膜に炎症が起こり、腫れや痛みといった症状が現れます。また、骨棘(こつきょく)が形成されやすくなるため、関節の変形を招くこともあります。
変形性関節症は全身に起こり得る疾患ですが、中でも頻繁に負担がかかる股関節や膝関節で発症しやすいです。特に股関節や膝関節は、日常生活を送る上でとても重要な部位なので、腫れや痛みが出てしまうと日常生活で思うように動けなくなる可能性があります。したがって、変形性関節症の症状を改善したり、悪化を防ぐための治療をするのがとても重要です。

運動療法とサポーターを使った治療について

変形性関節症に対する基本的な治療として、運動療法とサポーターを使用する方法があります。
運動療法の目的は、関節周囲の柔軟性と筋力を維持することです。変形性関節症を発症すると、腫れや痛みといった症状が続くために関節の機能が弱くなりがちです。これ以上関節の可動域が狭くなったり、筋力が低下したりしないようにするために、運動で関節の柔軟性と筋力の維持を目指します。
運動として、ストレッチや筋力トレーニング、軽めの体操などを行います。運動するときは、関節に過度の負担をかけると症状が悪化する恐れがあるので、痛みが生じない範囲で無理なく行うようにします。
一方、サポーターは、弱っている、もしくは変形している関節にかかる負担を軽減し、症状の悪化を防ぐことを目指すものです。ただし、サポーターだけでは症状の悪化を予防しきれないため、運動療法と合わせて行うことになります。

手術療法について

変形性関節症の治療をしても症状の改善が見られない場合や、明らかに関節が変形していて日常生活に支障をきたしている場合は、手術が行われることがあります。手術の目的は、関節の安定性を確保することと、関節周辺の軟部組織にかかる負担を軽減することです。
代表的な手術の方法として、関節鏡視下による手術、骨切り術、人工関節置換術の3種類あります。
関節鏡視下による手術は、関節に内視鏡を挿入し、軟骨の破片や骨棘を除去して症状を改善させる方法です。
骨切り術は、変形した関節周囲の骨を切除することで関節の角度を矯正し、関節を本来の位置に近づけることで関節への負担を軽減させる方法です。特に重度の膝関節症で行われることが多い方法です。
そして人工関節置換術は、関節軟骨や周囲の骨の損傷が進行している場合に、その部位を切除して金属製やプラスチックなどの人工関節に置き換えて痛みなどの症状を改善する方法です。

おわりに:運動療法を行って、関節の可動域が狭くなるのを防ぐことが大切

変形性関節炎の治療で行われる運動療法は、関節の可動域が狭くなったり、関節を動かしにくくなったりするのを防ぐ目的で行われます。サポーターも適宜使いながら、関節の痛みや腫れが悪化しないように動かすことが大切です。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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