記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/2/9 記事改定日: 2018/6/1
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
筋トレをするときには、超回復を意識したスケジュールが重要です。この記事では、筋肉痛のメカニズムと超回復の理想的なサイクル、栄養補給のコツについて解説しています。健康的に痩せたいと思っている人は参考にしてください。
「筋肉痛(遅発性筋肉痛)」の原因ははっきりと解明されていませんが、現在では運動によって傷ついた筋繊維を修復しようとするときに起こる痛みであるといわれています。
普段使わない筋肉を使ったり同じ筋肉を使い過ぎることで、筋肉を構成している筋繊維やまわりの結合組織がわずかに傷つき、それを治そうと白血球を中心とした血液成分が集まって炎症を起こします。そのときに刺激物質がつくられて筋膜を刺激して痛みが起こるとされていますが、筋繊維自体には痛みを感じる神経はなく炎症が広がって発痛物質が筋膜に届いてから痛みを感じることから、数時間から1~2日の時間をおいて痛みが起こると考えられています。
「超回復」とは、筋トレによる強い負荷で破壊された筋組織を以前より太くして再生する現象(筋肥大)です。これを繰り返すことで筋肉は強くなっていくと考えられています。
ただし、超回復には筋トレから48~72時間(年齢や筋肉の大きさによって多少変わる)かかるといわれています。超回復中に無理な筋トレを行うとオーバートレーニングとなり、激しい筋肉痛や肉離れなどを引き起こす可能性があります。
筋トレ後は2、3日筋肉を休ませ、筋組織を作るのに大切なタンパク質などの栄養をプロテインや食物から補給することが重要です。筋トレ→栄養をとって休む→超回復する、というサイクルを心がけましょう。
筋トレの効果を最大化するには、筋肉痛のあるうちはトレーニングは行わない方がいいと考えられています。筋肉痛は、筋肉がまだ回復していないサインです。休養とともに適度なストレッチを取り入れることでスムーズな回復が期待できます。
また、筋トレ前のストレッチで筋肉をしなやかにして関節の可動域を拡大することは、筋トレの効果を最大限まで引き出すことと、ケガの予防につながります。筋トレ後のストレッチは、筋肉の緊張を緩めて血流を促進させることで疲労回復に役立つとされ、筋肉細胞の増殖と筋繊維を伸ばす効果があるともいわれています。筋肉を収縮させる筋トレと伸ばすストレッチを組み合わせることで、効果をさらに高めることができるでしょう。
痛みが強い筋肉痛にはアイシング(冷やす)で筋肉の炎症を抑えることをおすすめします。
筋肉が硬くなったり張っている場合には、ぬるま湯につかってリラックスし、手でさする程度のマッサージで血流をうながすようにしましょう。
食事では、消費された糖分や筋肉の原料となるタンパク質の補充などを意識してください。何より疲労回復に効果的なのは睡眠で、激しい運動の後は8時間程度とると治りが早まるといわれています。
ただし、激しい痛みの筋肉痛が続く場合はケガの可能性もあるので必ず病院で診察を受けましょう。
プロテインは、筋肉を作る重要なタンパク質源となり、筋肉痛の時に摂取するとダメージを受けた筋肉の修復を早める効果が期待できます。
しかしながら、プロテインの摂りすぎには注意が必要です。プロテインは肝臓で分解され、腎臓から排出されますが、過度な量のプロテイン摂取は肝臓や腎臓に負担をかける可能性があります。
また、中にはアレルギー反応が出てしまうこともあるため、使用料は必ず守り、何らかの不快な症状が現れる場合には、速やかに使用を中止して医師に相談しましょう。
筋肉痛のときには、良質なタンパク質と、ビタミンB、ビタミンCをいつもより多めに摂るのがおすすめです。お腹に優しく、しっかりタンパク質とビタミン類が摂れるメニューを選びましょう。ここでは、おすすめレシピをご紹介します。
鶏むね肉には良質なタンパク質とビタミン類が豊富に含まれており、筋肉痛のよい味方となってくれます。ぱさぱさした触感を活かしたサラダがおすすめです。
鶏むね肉は蒸し器でよく蒸し、一口大の大きさに千切ります。これに、ビタミンCが豊富なキャベツを適当な大きさに切ったものを混ぜ合わせ、お好みのドレッシングをかけてできあがりです。
豚肉はタンパク質とビタミンBが豊富に含まれています。また、カリウムが豊富な白菜を一緒に食べることで運動のしすぎによるむくみを解消し、筋肉痛の回復を早める効果も期待できます。
白菜、豚スライスを交互にミルフィーユ状に重ね、蒸し器で20分ほど蒸します。そのままで食べてももちろんいいですが、ショウガおろしや大根おろしをつけて食べてもさっぱりしておすすめです。
メインの一品になる豪華メニューで、筋肉痛も吹き飛ばしましょう。
筋トレの理想のサイクルは、「筋トレ→栄養補給と休息→超回復」といわれています。筋肉痛が起きているときは頑張り過ぎは禁物です。筋トレ前後のストレッチや筋肉痛への対処などに留意しながら、自分なりのトレーニングを続けましょう。