記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/2/13
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
尿の色は体調の変化で変わりますが、どのような色になったときに病気の可能性があるのでしょうか。黄色い尿や赤色の尿など、尿の色が変化する理由と、膀胱炎や脱水などの病気で尿がどう変化するのかについて解説していきます。
尿の色は健康のサインとよくいわれますが、どうやって決まるのでしょうか。尿は、古くなった血液を分解する過程でできます。血液の色は赤ですが、これは血液に含まれるヘモグロビンの色です。
古くなった血液は脾臓で分解されます。ヘモグロビンは分解されると、ビリルビンという成分になります。尿が「黄色」なのは、このビリルビンの色です。
通常、分解される血液の量は一定です。尿の濃さが変化するのは排出される水分量が変わるからです。腎臓には体液の濃度を調整する機能があり、体液の濃度を一定にするために、水分量を調整しています。水分量が多くなると尿の色は薄くなり、逆に少ないと濃くなります。尿の色味が赤や白に変化した場合には背後に病気が隠れている可能性があります。
尿の色が濃いと感じた場合は、体内の水分が少ない、つまりは脱水気味であるということです。水分を摂るようにしましょう。また、寝起き一番の尿の色は濃い場合が多いですが、これは睡眠中に尿の量を減らすため、濃度が上がるからです。また、ビタミンB群のサプリメントを摂取すると、尿の色が濃くなることがあります。
尿の色が「赤色」「茶褐色」である場合は、腎臓や尿管、膀胱などが出血していて、ヘモグロビンが尿に混ざっている可能性があります。膀胱癌などの重度の病気の可能性もありますので、早急に病院を受診するようにしてください。白濁した牛乳のような尿が出る場合には、細菌が感染したことによる腎盂腎炎や膀胱炎の可能性があります。これは尿に白血球が混ざるために起こります。
尿の色だけでなく、泡立つ場合にも注意が必要です。尿は含まれるタンパクや糖が多いほど粘り気が強くなり、粘り気が高いほどよく泡立ちます。
ただし、正常な場合でも尿が勢いよくトイレの水に注がれると、空気が取り込まれ、尿に含まれるウロビリノーゲンという成分が持っている界面活性作用によって泡立つことがあります。正常な尿と病気の可能性がある尿は、泡のきめ細かさと、泡が消えるまでの時間である程度見分けることができるといわれています。
ビールの泡のようにきめ細やかでなかなか消えない泡は、タンパクが原因で泡が発生している可能性があります。尿に大量にタンパクが含まれている場合には、「ネフローゼ」という病気の可能性があります。
ただし、泡立ち方だけで判別はできません。おしっこの泡立ちが気になる場合は、早めに病院を受診しましょう。
おしっこは、体の状態を表すサインです。色が濃い場合には、水分不足の可能性がありますので、しっかりと水分を補給するようにしましょう。赤色や白色のおしっこが出た場合には病気の可能性もあります。早めに病院を受診するようにしてください。また、おしっこの泡がきめ細かく、なかなか消えない場合にも注意が必要です。