産後の薄毛はいつまで続く?セルフケアの方法とは?

2018/2/9 記事改定日: 2019/3/7
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前田 裕斗 先生

記事監修医師

前田 裕斗 先生

出産後は、女性ホルモンの分泌が急激に減ることで薄毛になることがあります。出産を経験した女性の大半が経験しているといわれていますが、予防することはできるのでしょうか。この記事では、産後の薄毛「分娩後脱毛症」について解説しています。

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出産後に薄毛になってしまうのはなぜ?

女性の場合、出産後に薄毛になってしまうことがあります。その主な原因はホルモンバランスの乱れです。妊娠中は、女性ホルモンである「エストロゲン」や「プロゲステロン」が増加していますが、出産すると、これらのホルモンが一気に低下します。

妊娠中は女性ホルモンの増加により、髪の成長が促進され抜け毛は減少しますが、出産すると女性ホルモンが一気に減少するため抜け毛が多くなります。また、人は生命維持に重要な部位から優先的に栄養が供給されるといわれており、出産後は栄養が母乳に優先されるため、頭皮に回らなくなることで薄毛が増えることがあります。

産後の薄毛はいつごろまで続くの?

出産後に発症する脱毛症のことを、分娩後脱毛症といいます。分娩後脱毛症は出産後の女性の約6割に発症するとされ、出産後2~4ヶ月後から始まります。
女性ホルモンの分泌量の低下とともに抜け毛が増え、産後7ヶ月頃のピーク時には、束で抜けてしまうこともあります。

一般的には、体調も安定して、子育てにも慣れて生活リズムが安定してくる産後1年くらいから落ち着いてくるといわれています。
ただし、分娩後脱毛症が1年以上続くケースもないわけではありません。慣れない育児のストレス、睡眠不足や食生活などの生活習慣が抜け毛に影響し、長引いてしまうことが原因と考えられています。また近年は、高齢出産のためにホルモンバランスの回復が遅くなってしまい、抜け毛が長引くケースもあるといわれています。

産後に髪の毛が薄くなったら病院へ行ったほうがいいの?

分娩後脱毛症は、ホルモンのバランスが回復し、生活リズムが安定すれば自然に治まるといわれています。そのため、基本的には病院を受診する必要はありません。ただし、過度な抜け毛があったり、1年以上経過しても回復が見られない場合は病院に相談しましょう。原因によっては特別な治療が必要になる場合があります。

まずは、婦人科を受診することをおすすめしますが、脱毛だけでなく、頭皮の炎症やフケなどの症状を併発している場合は、皮膚科に相談してみてください。精神的なストレスが原因で起こる脱毛症の可能性もありますが、まずは婦人科で相談して原因を調べてもらい、治療に適した診療科を紹介してもらいましょう。

産後の薄毛のためのセルフケアってある?

産後はホルモンバランスの乱れによって薄毛になりやすく、薄毛を予防・改善するにはホルモンバランスを整えるような生活を心がけ、頭皮に負担をかけないことが大切です。
ホルモンバランスを整えるには、ストレスをため込まず、育児中であっても十分な休息・睡眠時間を確保することが大切です。また、食事は栄養バランスを考えて3食しっかり摂るようにしましょう。

一方、頭皮に負担をかけないためには、頭皮への刺激が少ない天然素材のシャンプーを利用したり、パーマやカラーリングは頻回に行わないなどの対策が有用です。
産後の育児の忙しさから、自分のことは後回しになってしまう人が多いですが、薄毛を予防・改善するためにもしっかりとセルフケアを行っていきましょう。

薄毛が目立たないようにすることも大切

髪の毛が薄くなると、それが気になってしまい、ストレスになる場合があります。うまく隠してストレス感じないように備えましょう。
薄くなった髪を目立たなくするには、髪の毛のボリュームがあるようなヘアスタイルするなどで工夫ができます。また、帽子やウィッグを活用することもおすすめです。

おわりに:出産後の薄毛は回復するので気にしすぎないことがポイント

出産後の薄毛は、ホルモンバランスの回復とともに、1年程度で大半は回復します。そのため、多くの場合は過度に気にしすぎなくても大丈夫といえるでしょう。もし脱毛が1年以上の長期間にわたる場合には、婦人科に相談してみましょう。

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