記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/2/13 記事改定日: 2018/6/1
記事改定回数:1回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
筋トレのときに、ウォーミングアップとクールダウンのストレッチをした方がいいことはご存知の人も多いでしょうが、それぞれ違った方法が効果的なことはご存知でしょうか。この記事では、動的ストレッチと静的ストレッチの正しいやり方をご紹介します。
また、筋肉痛とストレッチの関係性についても説明しています。
ストレッチとは、一言でいうと筋肉を伸ばす運動のことです。筋肉は伸ばされると柔軟性が増し、血行がよくなるので緊張が和らぎ、リラクゼーション効果も期待できます。
そのため、筋トレの前にストレッチを行うと、筋肉が柔らかくなるのでけがの予防につながります。また、関節の可動域も広げることができるため、スムーズに筋トレを行うことができるでしょう。
実は、筋肉を成長させるためには、筋肉を縮める運動と伸ばす動きの両方が必要です。ですから、筋トレとストレッチはセットで行った方が、効率的に筋肉を鍛えられるといわれています。
ストレッチは、普段使わない筋肉を程よく進展させ、老廃物の排出を促し、全身の血行を改善する効果があります。ストレッチ自体に筋肉痛を治す効果はありませんが、筋肉の血行がよくなることで、回復を早めることができます。
しかし、筋肉痛の出始めや非常に強い痛みがあるときは、筋肉を休める必要があり、無理にストレッチを行うと逆に症状がひどくなることがありますので注意してください。
ストレッチには、「動的ストレッチ」と「静的ストレッチ」の2種類があります。
「動的ストレッチ」は、腕や足を色んな方向へ動かしながら筋肉を伸ばしていきます。動的ストレッチを行うと筋肉が温まり柔らかくなり、関節可動域も広がるため、けがの防止や筋トレの動きがスムーズになるといった効果が期待できます。
ただし、動的ストレッチは運動習慣のない人や筋肉痛の人が急に行うと、足がつったり肉離れを起こす場合があります。また、反動をつけるので、知識や経験が浅いうちに行うと、怪我の原因となることもあるでしょう。初めは指導者のもとで行い、一人で行う場合も過度に反動をつけないようにしてください。
「静的ストレッチ」では、体の姿勢を変えることで筋肉を伸ばしていきます。弾みを付けずにゆっくり時間をかけて伸ばすのが特徴です。
筋トレの後に行うと、疲労回復が速くなります。なぜなら、静的ストレッチを行うと副交感神経が刺激されて血液循環が緩やかになり、筋トレで溜まった疲労物質をスムーズに取り除くことができると考えられているからです。
静的ストレッチは、無理に伸ばさずに痛くない程度を目安に行いましょう。また、息を止めると血圧が上がり筋肉もリラックスできません。息を整えるつもりで10~30秒ゆっくり呼吸しながら行うと、静的ストレッチ効果がより期待できます。
ストレッチをするときには、必ず体を温めてから行いましょう。なぜなら、体が冷えていると筋肉も硬くなっているので、思わぬことで筋肉を傷める原因になるからです。
また、ストレッチを片側だけ集中して行わないようにしてください。筋肉は、片側が緊張すると反対側がリラックスする仕組みになっています。ストレッチは交互にバランスよく行い、全身の筋肉がまんべんなくほぐれるようにしましょう。
鍛えたい筋肉に直接働きかける筋トレと違い、ストレッチはついおざなりにしてしまいがちです。しかし、ストレッチをせずに筋トレを行うと、効果が半減したり、けがを誘発してしまう可能性があります。また、ストレッチには筋肉痛を治すことはできませんが、疲労回復を早める効果は期待できます。筋トレを行うときには、ぜひストレッチも一緒に行うようにしましょう。