記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/2/13
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
男性の薄毛と女性の薄毛は、特徴と原因に違いがあります。男性はAGA型の薄毛のようにジヒドロテストステロン(DHT)の影響が大きいですが、女性は生活習慣が起因になることが多いといわれています。薄毛の原因を理解し、根本解決に役立ててください。
薄毛の原因は男性と女性で大きく異なります。
男性の薄毛の主な場合はテストテロンという男性ホルモンの一種が毛髪に対して攻撃性の高いジヒドロテストステロン(DHT)に変化することが原因でヘアサイクルが乱れ、頭頂部や額を中心に髪が抜けていきます。これには遺伝も関係しているといわれています。
一方、女性の薄毛はさまざまな原因が考えられています。
女性の薄毛の原因として最も多いといわれているのがホルモンバランスの乱れです。
女性ホルモンのひとつであるエストロゲンには毛髪を育てて維持する働きがあり、30代から減少し始め40代で急激に減少します。エストロゲンが減少することによって毛髪が育ちにくくなることで、薄毛が助長されていくと考えられています。
加齢以外にも女性は妊娠、出産によるホルモンバランスが乱れによって一時的に脱毛量が増えることがあり、これも薄毛の原因ともなります。
また、睡眠不足も原因になる場合があります。睡眠時に分泌される成長ホルモンは毛髪の成長も促すため、睡眠不足で成長ホルモンが十分に分泌されなくなることで髪の毛が成長せずに、薄毛となってしまいます。
さらに過度なヘアケアやパーマ、カラー、ダイエットなども女性の薄毛の原因と大きく関係があるとされています。
女性の薄毛は以下のように分類することができます。
・分娩後脱毛症
産後脱毛とも呼ばれ、一般的には出産後2~3か月後に現れ、半年から1年で改善するとされている脱毛症です。ホルモンバランスの乱れや育児によるストレス、栄養や睡眠のバランスの乱れが原因とされています。
・びまん性脱毛症
女性の薄毛で最も多いといわれているのがびまん性脱毛症です。
びまん性脱毛症は、老化やストレス、ダイエットや過度なヘアケアなどが原因となって頭の広い範囲で髪の成長が止まってしまいます。中年以降の女性に特に多く見られます。
・牽引性脱毛症
ポニーテールなど髪を引っ張るヘアスタイルやヘアアイロン、ヘアエクステの長期間の使用によって起こる脱毛症です。引っ張られている部分の血行が悪くなることが薄毛の原因となります。
・脂漏性脱毛症
ホルモンバランスの乱れなどによって皮脂が過剰に分泌され、毛穴に皮脂が詰まって脱毛を起こし、薄毛となってしまいます。
・円形脱毛症
自己免疫疾患などが原因で、自分の免疫系が毛根を破壊してしまうことで生じると考えられていますが、完全に解明されたわけではありません。
コインのような丸い形に髪が抜け落ちる単発型、さまざまな部位に脱毛が生じる多発型、全ての毛が抜け落ちてしまう全頭型の種類があります。
女性の薄毛対策には3つのポイントがあります。
1つ目は食生活の見直しです。
髪はタンパク質の一種であるケラチンを主成分とするため、タンパク質が豊富な食事を摂るようにしましょう。
また、髪の新陳代謝を促し、頭皮の健康維持のためにビタミンやミネラルも必要不可欠です。これらを中心とした栄養バランスのとれた食事摂取が必要です。
2つ目は十分な睡眠をとることです。寝ている間に髪は成長ホルモンや免疫細胞によって日中に受けたダメージを修復します。そのため、早寝早起きの睡眠習慣が必要です。
3つ目はストレスを溜めないということです。ストレスによって自律神経やホルモンバランスが乱れ、薄毛の原因となります。自分なりのストレス発散方法を見つける、あるいはストレスを回避するようにしましょう。
日常生活の乱れが女性の薄毛には密接に関係していると考えられています。
そのため、日常生活を改善することが女性の薄毛を改善していくことにつながるといえるでしょう。
薄毛で悩んでいる人は、まず自分の日常生活を見直すようにしてください。
ただし、生活習慣を見直しても改善しないものや、円形脱毛症などの一部の薄毛は病院での治療が必要になる場合があります。薄毛の悩みはひとりで抱え込まず、専門家に相談することをおすすめします。