記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/2/13
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
男性の薄毛は男性型脱毛症(AGA)が原因になっていることが多いといわれています。近年は病院でのAGA治療が話題になっていますが、セルフケアで改善することはできるのでしょうか。この記事では男性の薄毛の原因とセルフケアについて解説しています。
日本人男性の3人に1人が、薄毛に悩まされているといわれています。男性の薄毛の特徴は、ゆっくりと進行していき、額の生え際や頭頂部がどちらか一方または双方から徐々に薄くなることです。そして、毛包が十分に成長しないことから、髪の毛が太く長く育つ前に抜けてしまうことも特徴といえるでしょう。
男の薄毛の原因は主に4つの説がありますが、最も有力とされているのが男性ホルモンの影響によるものです。
男性ホルモンのテストテロンが2型5αリダクターゼという酵素によって毛髪に対して攻撃性の高いジヒドロテストステロン(DHT)に変化し、ヘアサイクルが乱れることが原因で薄毛になっていきます。前頭部や頭頂部の毛乳頭には2型5αリダクターゼが多く存在しているため、頭頂部や額を中心に髪が抜けていくと考えられています。
また、この2型5αリダクターゼの量は遺伝によって多い人と少ない人がいるため、薄毛になりやすいかなりにくいかは、遺伝によっても左右されます。
その他、血流が悪くなって髪の成長が阻害されている場合や、皮脂の過剰分泌で毛穴が詰まってしまう場合、成長などによって頭皮と頭の骨の間の血管が圧迫される場合などが原因になることがあるともいわれています。
男性型脱毛症(AGA)は、日常生活を見直すだけでもある程度改善することができるといわれています。
動物性の脂肪分を多く含む高カロリーな食品の摂り過ぎを避け、髪の発育に必要なたんぱく質、ミネラル、亜鉛、ビタミン類を多く含む食材を積極的に摂りましょう。
また、成長ホルモンが分泌される午後10時から午前2時にはしっかりと睡眠をとるようにしてください。
喫煙は血管を収縮させ薄毛を助長する原因となります。禁煙をするあるいはタバコの本数を減らすなどの対策をしていきましょう。
運動は血行を良くすることは頭皮の血行改善にもつながるため、薄毛改善効果が期待できるといわれています。継続して運動をする習慣をつけましょう。
薄毛改善のために重要とされるのがシャンプーです。洗浄力が強いシャンプーを使うと、必要な皮脂まで洗い流してしまい、薄毛を助長してしまう場合があります。自分の髪質にあったシャンプーを選ぶことが重要です。例えば、頭皮の皮脂が多い人はノンシリコンシャンプー、髪の痛みが強い人はシリコンシャンプーが向いているといわれています。
洗う際にもごしごしとこすらずに、シャンプーをよく泡立てて洗い、すすぎも十分に行いましょう。
男性型脱毛症(AGA)は、ジヒドロテストステロンや5αリダクターゼが原因になっているため、生活習慣の改善などセルフケアのみで改善することは難しいでしょう。医療機関などの専門的な治療と併せて取り組むことが重要です。
特に近年ではさまざまな情報が横行し、科学的根拠も何もない治療続けている人も少なくありません。また、男性の薄毛の全てがAGAとは限らないため、専門医の観点から医学的根拠に則した治療を行うことが、薄毛の根本改善につながります。
男性型脱毛症はセルフケアで予防、ある程度の改善が期待できるものの、完治を目指すためにはやはり専門医の治療が必要不可欠です。
薄毛や抜け毛が気になる場合にはまず1度、専門医に相談してみることをおすすめします。