記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/2/14 記事改定日: 2019/1/21
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
禁煙を自力で成功させることが難しいのは、ニコチンには依存性があるから。
もしニコチンの依存性を抑えてくれる病院があるなら、使ってみたいと思いませんか?
この記事では、禁煙したい人が通う「禁煙外来」について詳しく解説していきます。
禁煙治療の不安解消に役立ててください。
タバコが自分の意志でやめられないのは、ニコチン依存症という病気のせいです。ニコチン依存症の専門的な治療は、禁煙外来で受けることができます。
禁煙外来では、医師が専門的な知見をもとに症状を的確に把握し、禁煙補助薬という薬を処方しながら禁煙をサポートしていきます。
禁断症状(離脱症状)が出たときも医師が適切なアドバイスをくれますので、禁煙を継続しやすくなるはずです。
禁煙外来での治療は、一般的には12週間かけて行います。
12週間で5回の診察が必要であり、初診ではニコチン依存症の有無のチェックを行い、息に含まれる一酸化炭素量を調べます。一酸化炭素はタバコに含まれる有害物質のひとつです。
検査で禁煙治療が可能であると判断されると、禁煙開始日を決め、禁煙補助薬が処方されます。
2~5回目の診察は初診日からそれぞれ2週間後、4週間後、8週間後、12週間後に行い、2回目以降の診察では、禁煙状況の確認、一酸化炭素量の測定、禁煙を続けるためのアドバイス、禁煙補助薬の効果や副作用の確認を行います。
禁煙外来の治療で最も大切なことは、12週間で5回の診察をしっかりと受けることです。途中で受診をやめてしまうと、禁煙の成功率が格段に下がります。
禁煙治療は途中でやめることなく、12週間、5回の治療をやり切ってください。
禁煙外来での治療は健康保険が適応になることがあります。
健康保険は以下の4つの条件に当てはまる場合に適応となります。
禁煙外来では12週間にわたる禁煙補助薬の服用と計5回の通院が必要ですが、保険適応となった場合は診察料や薬代を全て含めて15000~20000円が相場です。
一方、4つの条件に当てはまらない場合は全額自己負担になります。
条件に当たるかどうか、費用はどれくらいかかるかについては事前に医療機関に問い合わせておくようにしましょう。
ニコチン依存症は、薬で治療することができます。
治療薬の種類には、経口禁煙補助薬、ニコチンパッチ、ニコチンガムの3種類あります。
その中で、禁煙外来がよく処方するのは、経口禁煙補助薬と、医療用ニコチンパッチです。
経口禁煙補助薬には、ニコチンが脳の受容体と結合すること防ぐ作用があり、服薬することでイライラやタバコを吸いたいという禁断症状が緩和され、タバコを吸ってもおいしいと感じにくくなります。
経口禁煙補助薬の中で、今主流になっているのが、チャンピックス®(バレニクリン)です。チャンピックス®には、吐き気や意識喪失のなど副作用が現れる可能性がまれにあります。
使用の際は、医師の注意をしっかりと守り、少しでも違和感を感じたら医師に相談しましょう。
禁煙治療では禁煙補助薬の他にも、ニコチンパッチが使用されることがあります。
ニコチンパッチは皮膚に貼るタイプの薬で、皮膚から少量のニコチンが吸収される効果があります。このため、禁煙でのニコチン不足による離脱症状を緩和させる作用があり、禁煙補助薬を用いても離脱症状が強い場合などに併用されることがあります。
しかし、ニコチンには血管を収縮させる効果があるため、妊娠中の人や心筋梗塞や脳卒中の既往がある人では使用することはできません。ニコチンパッチはドラッグストアなどで購入することもできますが、使い始めの時は医師や薬剤師に相談するようにしましょう。
禁煙は自分の意志ではなかなか続かないものです。禁煙を続けるために効果的なのが専門家のサポートです。
禁煙外来を設ける医療機関も増えてきており、気軽に禁煙外来を受診できる環境が整ってきています。ぜひ禁煙外来を受診して、効果的に禁煙をしましょう。
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