記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
2017/3/21
記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
がん検診などで、がんがみつかった際にどんな種類のがんなのか、大きさはどれくらいなのか、どのような治療方法が最も適しているか・・・
がんの検査結果が出るあいだは、いても立ってもいられませんよね。検査結果が出る前に準備しておきたいことがあります。そのときにあわてないように医師への質問事項をまとめておきましょう。
検査結果について医師に聞きたいことをすべて書き留めておきましょう。検査結果によっては、短時間で多くの情報を吸収しなければならないことがあるので、聞いておきたいことはあらかじめメモしておくことで聞き漏らしをなくせます。
ICレコーダーなどで録音するのもお勧めですが、事前に医師に確認する必要があります。いずれにしても、相談内容は記録しておいたほうがよいでしょう。
結果を聞くときは、だれかと一緒に聞くことをお勧めします。恐怖や不安を感じるとき、だれかがそばにいれば、自分とは違う意識で話に耳を傾けたりサポートしてもらえるからです。
とはいっても、中にはひとりで結果を聞きたいという人もいるかもしれません。そのような場合にはメモや録音をして、自宅で再度確認できるようにするといいでしょう。場所が変わることで、事実の受け止め方が変わります。
がんの診断結果の受け止め方に、正しいも間違っているもありません。最も重要なのは、十分な情報をもっていることで、どんな診断結果も楽に受け入れられるでしょう。
がんへの恐怖、虚脱感などのさまざまな感情が出てくるかもしれません。それはショックを受けている証しです。無力感や孤立感を感じる人もいます。時間がいつも通りに流れているのが不思議に思う、と感じる人もいます。
身近な人に打ち明けるかどうかは別として、第三者から何かしらの協力を得ることは役に立つことが多いでしょう。多くの人や場所が助けになります。医師や看護師に、カウンセリングや支援組織、患者の会といった地域の地元のサポートを紹介してもらってください。
がんと診断され、これから起こることや知りたいことを書き留めましょう。
医師に確認しておきたいことは、以下のことです。
・がんの部位(臓器)、進行度(ステージ)と予後(平均の生存期間)
・必要な治療
・治療の選択肢の有無
放射線療法や化学療法など、治療の選択肢があることがあります。聞き終えた後、がん専門看護師からさらに話を聞けるかどうかも聞いておいたほうがいいかもしれません。
・予想される副作用
・治療の目的
がんが消える可能性があるか、がんの進行を遅らせることができるか、あるいは症状を改善するのかどうか
・治療前や治療後に気分が悪くなったらどうしたらいいか
病院スタッフあるいは医師に連絡したほうがよいか、事前に聞いておけば安心です・
・がん給付金などについて相談できる病院スタッフがいるかどうか
ほかの病気とちがって、がんと診断されたときの心の動揺はことばではあらわせないものです。
その昔、「不治の病」とされていたがんですが、医学の進歩とともにさまざまな治療法が確立されています。がんと診断されても治療の選択肢があることを覚えておいてください。
そして、わからないことはなんでも医師に尋ねてください。聞くのは一時の恥、聞かぬは一生の恥ですよ。