塩分(ナトリウム)の摂りすぎが原因で起こる病気とは?

2018/2/16 記事改定日: 2019/4/18
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

塩分は生きていくうえで必須の栄養になりますが、摂りすぎは病気や不調などの原因になる可能性があります。この記事では、塩分の摂りすぎによって起こりうる病気や症状を紹介しています。
普段からついつい味付けの濃いものを食べがちという人は、この記事を読んで減塩の重要性を理解しましょう。

塩分(ナトリウム)にはどんな役割があるの?

塩分(ナトリウム)は人の体にとって必要な栄養素で、大人の場合、体重の0.3~0.4%が体内に含まれているといわれています。塩分は細胞外の体液(血液やリンパ液など)の中に溶けていて、浸透圧を調整する働きがあります。

人は体内の塩分量を調節することで、細胞の内外の浸透圧のバランスを保っています
厚生労働省の「2015年度版日本人の食事摂取基準」によると、日本人の1日当たりの塩分摂取目標量は男性が8.0g未満、女性が7.0g未満となっています。

一方で平成28年国民健康・栄養調査報告によると、実際の1日当たりの摂取状況は20歳以上の成人で9.9g(男性が10.8g、女性が9.2g)となっていることから、日本人は塩分の摂りすぎの傾向にあるといえるでしょう。

塩分の過剰摂取は様々な病気や不調の原因となるため、特に注意することをおすすめします。

塩分の摂りすぎでリスクが高まる病気①:高血圧

ナトリウムの過剰摂取は、高血圧の原因となります。ナトリウムを過剰摂取すると血液中の塩分濃度が高まります。すると、塩分濃度を下げようとして、血管内に水分が取り込まれます。その結果、血液量が増加して血圧が上昇します。

高血圧自体がはっきりとした自覚症状を引き起こすことはほとんどありませんが、初期段階では頭痛やめまい、手足のしびれ、疲れやすいなどの不調を感じることがあります。

また、高血圧は動脈硬化の原因になり、動脈硬化は狭心症や心筋梗塞、脳梗塞、腎硬化症などの深刻な病気の発症リスクを高めます。

塩分の摂りすぎでリスクが高まる病気②:胃がん、鼻咽喉がんのリスクが増大

ナトリウムの過剰摂取によって、胃がん、鼻咽喉がんの発病リスクが高まるといわれています。

塩分自体には発がん性は認められていませんが、塩漬けや燻製などの塩分処理をした食べ物には、ニトロサミンという発がん性物質が含まれており、それが胃がんや鼻咽喉がんの発症リスクを高めると考えられています。

また、ナトリウムを過剰摂取すると胃の粘膜が損傷し、胃炎になりやすくなります。胃炎によって発がん性物質の影響を強く受けるようになる可能性もあります。また、医学的に証明されたわけではありませんが、塩分の過剰摂取でヘリコバクター・ピロリ菌が持続感染しやすくなるという報告もあるのです。

塩分の摂りすぎでリスクが高まる病気③:腎臓の病気

塩分を摂りすぎると、体内に水分が溜まると同時に血液量も増えるため、血圧が上昇します。この状態が長く続くと、腎臓の血管に負担をかけて動脈硬化を引き起こし、腎硬化症や慢性腎不全に進行するリスクが高くなります。なかには人工透析が必要になるケースもありますので、注意しましょう。

おわりに:塩分の摂りすぎると重篤な病気を引き起こす可能性がある

塩分は人間が生きていく上では欠かせない栄養素ですが、摂りすぎには注意が必要です。塩分の過剰摂取は、高血圧、動脈硬化、脳や心臓の病気へとつながっていく可能性があります。日本人は食文化から塩分を摂りやすい状況にあります。普段の食事を見直して、減塩を心がけましょう。

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