糖尿病の人は水虫になりやすいって本当?!

2018/2/19

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

糖尿病の人は、血流障害を起こしやすく、水虫や足の変形などが現れる糖尿病足病変という足の合併症を発症しやすいです。この記事では、糖尿病と水虫の関係性について解説しています。

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糖尿病になると足のトラブルが起こりやすい

糖尿病患者は、足のトラブルを抱えやすくなります。糖尿病患者が抱える足のトラブルを総称して「糖尿病足病変」と呼びます。これは糖尿病の影響で動脈硬化が進んで足の血管が狭くなってしまうことが原因です。足の血管が狭くなることで、血流が阻害され、神経機能や免疫力が衰弱化してしまいます。
足に水虫や潰瘍、タコができたり、細菌への感染、足の変形などの症状が起こり、足の神経障害で痛みに気づきにくく、症状が進行して組織が死ぬ(足壊疽)こともあります。

糖尿病と水虫の関係について

糖尿病患者は、免疫力の低下により感染症にかかりやすくなります。水虫も感染症の一つです。糖尿病による水虫は、炎症や化膿を起こしやすい傾向があります。症状が進めば、壊疽や潰瘍などの足の病気になり、足を失う恐れもあるので注意しましょう。

糖尿病患者は、血糖値の高い状態が続くことで全身の血管や神経障害へとつながります。高血糖状態は動脈硬化を引き起こし、血管障害に発展して血液の流れが悪化します。
足の末梢部は心臓から遠いこともあり血液が滞りやすく、十分な栄養や酸素が届きにくい部位です。そして血行障害は、免疫力をさらに低下させます。少しの傷で化膿したり壊疽してしまう危険性もあるため、糖尿病の人は日頃から足の変化に注意して、異変を早めに発見できるようにしましょう。
早めに「フットケア」を行えば、悪化リスクを軽減することができます。

水虫を予防するには、どんなことに気をつければ良いの?

水虫の予防には、足のケアが大切です。いくつかの予防法や注意点を紹介します。

・常に足を清潔にする
帰宅後はすぐに足を洗いましょう。足の指一本一本を丁寧に石けんで洗うことが重要です。水で軽く洗いティッシュペーパーでふき取り、乾燥させることでも効果があります。

・足が乾燥している状態を保つ
運動や入浴で汗をかいた後は、足を乾燥させ、すずしく保ちましょう。また、通気性の悪い靴や靴下は避けるようにしてください。

・毎日清潔な靴下に履きかえる
水虫治療には、清潔な靴下を履きましょう。何度も履いたしっとりとした靴下は白癬菌(水虫菌)の温床になります。使用後の靴下はしっかり洗って乾燥させましょう。

・こまめに部屋を掃除する
水虫になると、皮膚がはがれやすくなります。はがれた皮膚の白癬菌は感染力があるため、部屋をこまめに掃除して除去する必要があります。

・足拭きマットには要注意
足拭きマットは、白癬菌の汚染を受けやすいです。家族間での感染の原因になります。その他、タオルや爪切り、スリッパを介して感染することがあるので、必ず個人用を準備しましょう。

・共同、共通施設では、素足を避ける
フィットネスクラブやサウナなど、様々な人が利用する施設では、水虫に感染するリスクが高まります。自分専用のサンダルやスリッパをうまく活用し、素足で床やマットに乗らないようにしましょう。

おわりに:医療機関の治療を続けながら、普段からセルフメンテナンスに取り組もう

糖尿病患者は、水虫や足の痛みをはじめする糖尿病足病変を発症する可能性があります。糖尿病による足のトラブルに悩んだときは、フットケア外来を受診しましょう。病院での治療とあわせて、普段から水虫を予防するためのセルフケアに取り組むことも大切です。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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