記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/2/21 記事改定日: 2018/7/10
記事改定回数:1回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
大腸がん予防の食事には、腸内の善玉菌を増やすことが大事、といわれています。この記事では、なぜ善玉菌を増やすことが大腸がんを予防する上で大切なのか、善玉菌が活動しやすい腸内環境を作るにはどうすればいいかをおすすめレシピを含めて紹介していきます。
大腸がんとは、大腸や盲腸、結腸、直腸にできる悪性腫瘍のことです。主な症状として、血便、下痢と便秘を繰り返す、便が細くなる、残便感がある、おなかが張って腹痛を起こしやすい、といったことが挙げられます。
また、原因不明の体重減少があった場合も大腸がんが疑われることがあります。ただ、大腸がんは自覚症状を伴わないことが多いだけでなく、これらの症状のひとつだけではがんだと自覚するのは非常に難しいため、医師でも見逃してしまうことがあります。
そのため、定期検査と日ごろの予防対策が非常に重要になってくるのです。
大腸に生息している腸内細菌には、悪玉菌と善玉菌があります。悪玉菌が増えると、腸内環境が悪化して有害物質が腸内に残りやすくなり、その結果腸内の免疫力が低下して、発がん性物質が留まる可能性が高くなります。
一方、善玉菌は腸内環境を整える力を持っています。近年の研究で、有害物質を取り除く働きをすることが明らかになっています。また、善玉菌は乳酸や酢酸を作り出すため、腸内環境を酸性にして悪玉菌の増殖を抑えることができるのも特徴のひとつです。酢酸には発がん性物質を無害化させる働きもあるため、結果的にがんの発生も抑えることにもつながります。
善玉菌を増やして腸内環境をより良く整えるためには、食物繊維をしっかり摂ることが大切です。食物繊維と善玉菌は密接につながっており、野菜類などで食物繊維を摂取すると、腸内に住み着いている善玉菌の栄養源となって健康を維持する働きがあります。
食物繊維を豊富に含む食べ物として、豆類(大豆やインゲン豆など)、干しシイタケ、切り干し大根、ゴボウ、海藻類やこんにゃくなどがあります。また、ヨーグルトには乳酸菌やビフィズス菌など、腸内環境を整える菌類が豊富に含まれています。こうした菌がそのまま定着することはありませんが、善玉菌の栄養源になるので腸内環境を改善する効果があります。ただ、ヨーグルトは体質との相性もあるため、少しずつ試しながら自分に合うタイプのものを選びましょう。
大腸がんの予防には、たっぷりの食物繊維を摂ることが大切です。ここでは、食物繊維をたっぷり摂れるメニューをご紹介します。
食物繊維の多いゴボウは、そのまま炒め物や煮物、きんぴらなどにしてももちろんおいしくいただけますが、少し手間を加えることでおしゃれな一品に変身します。
ゴボウを1~2本、薄切りにしてあく抜きをし、玉ねぎ適量を薄くスライスしてバターでしんなりするまでいため、あく抜きしたゴボウを投入。水500mlほどを入れてキューブコンソメ適量と共に15分ほど煮込みます。
ゴボウと玉ねぎが柔らかくなったら、火を止めてブレンダーで一気に攪拌。なめらかになったら、牛乳適量でよく伸ばして、塩コショウで味付けして完成です。
タネにおからと混ぜるだけで、低脂肪でありながら満足感のある一品に大変身です。
レンコンは適当な大きさにスライスし、あく抜きをします。タネになるおからとひき肉は同量を混ぜ合わせ、塩コショウでよく味付けします。ここにゴマやシソを混ぜると風味が出ておすすめです。タネを少量ずつ小判状にし、スライスしたレンコンでサンドして、油を多めに入れたフライパンでこんがり色づくまで蒸し焼きにして完成です。
大腸がん予防を考えていても、おやつはしっかり食べたいものですよね。
そこでおすすめなのが、食物繊維をたっぷり含んだバナナを使ったケーキです。バナナ自体に十分な甘みがあるため、余分な砂糖を加える必要もありません。
よく蒸してマッシュしたさつまいもにホットケーキミックスとおから粉、適量の砂糖、牛乳を混ぜ合わせ、よく練りこみます。もったりと固まったら、一口大の大きさに丸めて180度のオーブンで30分ほど焼けできあがりです。
大腸がんの予防には、食物繊維を多く摂ることが重要ですが、その他にも大腸がん発症リスクを高める食品があるので注意しましょう。
脂肪分が多い牛肉や豚肉、ハムやソーセージ、過度な飲酒なども大腸がんの発症リスクを上昇させることが分かっています。
大腸がん予防のためにも、これらの食品の摂りすぎには注意しましょう。
大腸がんを予防するためには、腸内の善玉菌を増やして、有害なものを留まらせないようにすることが大切です。日ごろから大豆や食物繊維を多く含む野菜、ヨーグルトなどを積極的に摂るよう心がけましょう。