非ステロイド性抗炎症薬などの薬剤が原因で胃潰瘍になる?!

2018/2/21

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

「胃潰瘍」の原因というと、過度なストレスや暴飲暴食を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。しかし近年、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などの特定の薬がきっかけで胃潰瘍になるケースが見られつつあります。詳しくは、以降で解説していきます。

胃潰瘍の症状と原因について

胃潰瘍の一般的な症状としては、大きく3つあげられます。一つ目が、空腹時に発症するみぞおち付近の痛みです。胃酸が潰瘍を刺激するために痛みます。二つ目が、胸焼けやゲップです。胃酸が過剰に分泌されるために起こります。三つ目が黒い便や貧血です。胃から出血があると、便が黒ずんだり、貧血を起こします。この症状が出た場合は、病状がかなり進んでいる場合が多いです。

胃潰瘍の原因としては、主なものとして、ストレスや暴飲・暴食があげられます。また、ピロリ菌や解熱鎮痛薬も胃潰瘍の原因になることが分かってきました。ピロリ菌に感染すると胃粘膜が弱ってしまい、胃酸によって胃の壁が傷つくことで潰瘍になります。一方で解熱鎮痛薬の潰瘍は「NSAIDs潰瘍」と言われます。解熱鎮静薬の副作用によって、胃酸が胃の壁を傷つけることで潰瘍になります。鎮痛剤は気軽に薬局で買えますが、副作用で胃潰瘍のリスクが高まることがあるので注意してください。

薬剤が原因で胃潰瘍が起こるって本当?!

胃潰瘍の原因として、薬によるものが増えてきています。胃潰瘍の原因となる薬は、我々が日常的に使用するものの中にあります。例えば、解熱鎮痛剤やせき止め薬、関節痛・腰痛緩和のための抗炎症薬や鎮痛薬、抗アレルギー薬、抗血栓薬、NSAIDs等があげらます。これらの薬を飲んでいても、胃へ影響が出ない方もいます。一方、薬による胃潰瘍の場合は痛みなどの自覚症状がない場合があり、症状が悪化したタイミングで気付くということもあります。抗炎症薬や鎮痛薬を長期間服用している方は、定期的に検査を受けるなどしましょう。

NSAIDsはなぜ胃潰瘍を引き起こすのでしょうか。そもそも、非ステロイド性抗炎症薬は、痛みの原因となる物質を作り出す酵素に働きかけ、解熱、鎮痛、抗炎症の効果をもたらすものです。一方で、それらのプラスの効果とは別に胃酸の分泌を増やしたり、胃粘膜の血流を悪化させたりもします。その結果、胃潰瘍を引き起こしてしまうことがあるのです。

どんな対処法があるの?

NSAIDsを長期間服用する場合には、定期的に検査を受けて、胃潰瘍ができていないか確認するようにしましょう。もし胃潰瘍ができてしまった場合には、非ステロイド性抗炎症薬の服用を一旦中止し、胃酸の分泌を抑える薬を服用します。

また、最近、副作用の軽減が期待できる新しいタイプのNSAIDsが開発されています。新しいタイプの薬は、非ステロイド性抗炎症薬がもたらす胃酸の分泌増加や胃粘膜の血流悪化を抑制することができ、胃への影響が起こりにくくなっています。非ステロイド性抗炎症薬を長期間服用する必要がある場合や、胃腸が弱い方には、新しいタイプの薬の使用が推奨されます。

おわりに:鎮痛薬や解熱薬の長期間服用には注意を

近年、鎮痛薬や解熱薬は気軽に購入・服用できるようになりました。一方、それらの薬には胃潰瘍の発症リスクを高めてしまうリスクもあります。胃潰瘍は、暴飲暴食やストレスだけではく、薬も原因になることを理解し、長期間薬を服用する場合は定期的な検査をするようにしましょう。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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