腹痛が続いて生活に支障が出たら、反復性腹痛かもしれない!?

2018/2/22

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

反復性腹痛とは、日常生活に支障が出るほどの腹痛が断続的に続く慢性的な症状です。この症状は5歳から16歳までの子供によくみられる症状と言われています。この記事では、反復性腹痛の原因と対処法について解説します。

反復性腹痛とは?

「反復性腹痛」とは、日常生活の障害となる腹痛が少なくとも1カ月につき1回、多くの場合はほとんど週1~2回から毎日、3カ月以上にわたって断続的に続く慢性腹痛です。5~16歳(特に8~12歳)の10~15%にみられる症状で、どちらかというと女児に多いと言われています。へその周囲に痛みを訴える場合が多く、痛みの種類や強さ、場所はさまざまです。腹痛とともに顔色の悪さや頭痛、おう吐がみられたり、差し込むような痛みが繰り返し起こって真っ青になったり、冷や汗をかいたりすることもあります。症状はおよそ1時間程度で落ち着き、普段は無症状ですが、中には1日中痛みを感じる人もいます。また、ストレスが原因の場合、ストレスの原因によって症状の出方が変わります。たとえば、学校へ行くことがストレスだった場合は学校のある日は症状が悪化し、週末や休日になると軽くなる傾向があります。また、就寝中に腹痛は起こりません。

反復性腹痛が起こる原因は?

反復性腹痛の原因は、内臓疾患などの異常による場合(器質的疾患)と、そうでない場合(非器質的疾患)の2つに分類されます。
器質的疾患には、胃や十二指腸潰瘍などの消化性潰瘍、総胆管拡張症(そうたんかんかくちょうしょう)、慢性便秘、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患、慢性すい炎といった消化器疾患やてんかんがあげられます。ただしこれらは原因の1割ほどで、ほぼ9割は精神的ストレスによる心因性の非器質的疾患とされています。非器質的疾患の代表的なものとして、過敏性腸症候群と心理的ストレスがありますが、反復性腹痛の6割は過敏性腸症候群と言われています。過敏性腸症候群は、自律神経が未発達なため、体内リズムを崩す睡眠や食習慣、運動不足やストレスなどが要因となって起こると考えられています。次いで多いのが原因不明(2割)、ストレスへの心因反応(1割)です。

治療法について

治療法は原因によって異なります。まずは「問診」で症状や生活習慣などを詳しく聞き、器質的疾患が疑われる場合にはその治療が優先されます。その上で、整腸剤や下剤、痛み止めなどを適宜処方し、不安や緊張が強い場合には、抗不安薬などの併用も検討します。診断の結果特に異常がなく、非器質的疾患と考えられる場合には、食事療法、運動療法で生活習慣および食習慣を改善するとともに、運動不足を解消しながら薬物療法を進めます。これで効果がみられない場合は、心理療法が用いられます。最近では薬の開発が進み、効果を上げていますが、過敏性腸症などは完全に治すことが難しく、再発も多い病気です。そのため、ドクターショッピング(医療機関を渡り歩くこと)も多くみられますが、過剰な心配がプレッシャーとなり、逆に病状が悪化することもあります。治療では、定期的な受診で患者と親、医師との間に信頼関係を築くことが大切です。

おわりに:心配し過ぎは逆効果。信頼できるかかりつけ医をもちましょう

多感な時期に多い反復性腹痛には、内臓の病気がもとになっている場合と心因性の場合がありますが、ほとんどは心理的ストレスが原因となっています。過度に心配せず、信頼できる医師と相談し原因を探って、適切な治療を進めましょう。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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