記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/2/26 記事改定日: 2019/2/20
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
突然の尿意や尿漏れなどが起こる「過活動膀胱」は、女性だけでなく、中年以降の男性の発症率も高いです。
今回の記事では男性の過活動膀胱の原因についてお伝えしていきます。
過活動膀胱とは、泌尿器系の病気で膀胱が敏感になり、自分の意に反して収縮してしまう状態です。
尿を溜める役割をもつ膀胱機能の障害で、膀胱が敏感になり過剰に反応して尿を出そうとするため、尿を溜めて我慢する事が難しくなり、尿が勝手に収縮してしまうため尿意切迫感を感じて、その収縮が大きいと尿漏れにつながります。
診断は、質問票や超音波検査や尿検査などで行われます。男女共に起こるのですが、50歳以上になると若干男性の割合が高くなります。
過活動膀胱の症状としては、突発的で我慢できないような尿意切迫感があります。そのためトイレに行く数がとても多く、頻尿や夜間頻尿(寝ている間にトイレのために起床する)、場合によっては切迫性失禁、尿漏れといった症状が現れ、散歩中や歯磨き中にも起こることがあります。
男性の過活動膀胱の原因としてとくに多いのは前立腺肥大症です。
前立腺とは、膀胱の出口にあるくるみほどの大きさの男性特有の臓器で、精子を保護する精液の成分を産生します。この前立腺の中を尿が通って出るため、前立腺が腫れてくると自然と尿が出にくくなります。
このとき尿を出そうと無理な力をかけると膀胱にさらに負担がかかり、これを繰り返していくことで膀胱が少しの刺激にも過敏になってしまい、結果、過活動膀胱を発症することがあります。
この発症ケースは、年齢とともに前立腺が肥大する50歳代の男性から増加傾向にあります。
前立腺肥大症以外にも、過活動膀胱につながる要因はあります。例えば、会社のストレスや加齢などで膀胱が伸展しにくく、伸び縮みできなくなることからも過活動膀胱になることがあります。
男性の過活動膀胱は前立腺肥大によって引き起こされていることが多く、前立腺肥大の治療を行わなければ症状を改善することはできません。また、膀胱訓練によって尿を我満することで症状が悪化したり、尿路感染症などを発症するリスクが高くなる場合があります。
過活動膀胱が疑われる症状が見られる場合は自己判断で膀胱訓練などを行わず、原因を特定するためにも必ず病院を受診して、適切な検査・治療を受けるようにしましょう。
男性の場合は、前立腺肥大症に伴って過活動膀胱を発症するケースが多いとされています。該当する症状でお悩みの方は、早めに泌尿器科にて検査・治療を受けることをお勧めします。