人工膀胱ってどうやって使えばいいの?交換の仕方は?

2018/2/26 記事改定日: 2019/7/2
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

膀胱腫瘍の治療で膀胱の全部もしくは一部を切除したとき、人工膀胱(ストーマ)を装着することがあります。この記事では、人工膀胱の詳しい使い方について解説します。

人工膀胱はなんのために使うの?

膀胱腫瘍の治療では悪性腫瘍が増殖している部位を除去する手術療法が行われます。その際、膀胱を全摘出したり、膀胱の一部を切除したために、今までのように膀胱に尿をためることができなくなってしまうことがあります。
このようなとき腎臓で作られた尿を排出するために、尿管を皮膚から出して人工膀胱を作る必要があります。

人工膀胱は手術で除去した膀胱の代わりをするものです。体内で作られた尿は、人工膀胱を通って装着した袋に溜まります。

適度に溜まってきたらトイレで尿を出し、袋を空にしてまた使います。自分の意思で尿を溜め、排出する、ということはできませんが、一定量を溜めることができるので、今までと同じように数時間おきにトイレに行って尿を出すという生活が送れます。

人工膀胱はどうやって交換するの?

人工膀胱の交換のタイミングは個人によって異なりますが、皮膚の状態や、使用している商品に書かれた交換時期の目安などを参考しましょう。

交換の流れ

交換するときは人工膀胱の袋を外した状態になるので、尿が大量に出てこないよう水分を控えめにしましょう。
周囲の皮膚と密着している部位をゆっくりと剥がしながら外していきますが、無理に取ると皮膚トラブルの原因になります。剥がしにくいときにはリムーバーなどを使用してやさしくはがしてください。

全て取り終えたら、周囲に付いている排泄物をティッシュなどで拭きとります。その後、周囲の皮膚を石鹸で優しく洗ってシャワーで流します。
皮膚を清潔にしたら新しい人工膀胱を装着して2~3分ほど押さえます。皮膚が濡れていると密着せず、漏れてしまう原因になるので、水気がなくなってから装着しましょう。

日常生活で知っておきたい人工膀胱に関する疑問

膀胱腫瘍の治療後に人工膀胱を使用すると、、器具をつけた状態で長い期間を過ごすことになります。

日常生活の中で気になることがたくさんあると思いますが、入浴は人工膀胱を装着したままで行えますし、湯船に浸かることもできます。食事制限は特にありませんが、もともと膀胱腫瘍以外の病気で食事指導を受けている場合は、指示に従った食事を続けてください。
水分は尿と関係が深いものですが、水分が足りなくなると尿路感染症や尿路結石ができやすくなるため、多めに摂るようにしてください。

旅行に行く時は、万が一に備えて予備も含めて、袋や交換時に使う器具を持っていきましょう。外出時の服装は、人工膀胱を圧迫するようなものでなければ何を着ても大丈夫です。しかし、外出先でも袋にたまった尿を捨てやすい服装にしておくと、慣れない場所でも慌てることなく処理できると思います。できれば、オストメイト対応トイレがある場所を見つけておきましょう。

オストメイト対応トイレ

オストメイト対応トイレとは、人工肛門や人工膀胱の人が尿や便を流せる汚物洗浄台やストーマ部位を洗浄できるシャワーなどが備え付けられ、ストーマの処置をするための十分なスペースのあるトイレのことです。
近年では人工肛門や人工膀胱を造設している人が増えてきているため、公共機関や商業施設などでも障害者用トイレとして設置が進んでいます。

また、自宅のトイレをオストメイト対応トイレにリフォームすることが可能です。自宅のトイレをリフォームする場合にはスペースに限りがありますので、座った状態でパウチの交換・便や尿の廃棄を行えるよう工夫された便座に交換する簡易的なリフォームから、洗浄台やシャワーまで設置する本格的なリフォームがあります。

簡易的なリフォームは10万円前後の費用のみとなりますが、本格的なリフォームの場合は商品によって価格差がありますが、30~100万円前後の費用が必要となります。

おわりに:人工膀胱を着けても、快適に日常生活を送ることができる

尿を捨てたり、定期的に器具を取り替えたりする手間はかかりますが、人工膀胱をつけてもこれまでと変わりなく日常生活を送ることができます。人工膀胱についてわからないことや、不安なことがあれば、主治医に相談してみてください。

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