単末梢神経障害の症状とは?どんな種類があるの?

2018/3/1 記事改定日: 2019/3/22
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

単末梢神経障害とは、末梢神経にみられる症状のひとつで、動作や圧迫などで末梢神経が圧迫されたために起こる障害です。この記事では、単末梢神経障害の種類とともに、予防法について解説します。

末梢神経障害と単末梢神経障害

末梢神経とは、脳や脊髄などの中枢神経から分岐して全身の器官に分布している神経のことです。
末梢神経は、その機能に着目して大きく運動神経、感覚神経、自律神経の3つに分類されます。末梢神経障害とは、これらの末梢神経がダメージを受けたためにさまざまな障害があらわれる病気です。

運動神経
運動神経がダメージを受けると、手足の筋力低下や筋肉が萎縮するといった症状が現れる
感覚神経
感覚神経は皮膚の痛覚や外気温などを伝える役割を担っているので、ダメージを受けるとしびれや痛み、感覚が鈍くなるといった症状がみられる
自律神経
自律神経は汗や血圧などの調整を司るので、手足の発汗異常などがみられます。

このような障害は、単独であらわれることもありますが、複合的に症状があらわれることもよく起こります。

単末梢神経障害

末梢神経障害は、全身の末梢神経に多発する多発性のものと、単一の神経に生じる単末梢神経障害に分類されます。

多発性のものは、糖尿病などの全身性代謝障害や薬剤、重金属による中毒症状、感染症などが原因で発症します。一方、単末梢神経障害は動作や圧迫等により末梢神経が圧迫を受けることで生じる障害で、症状も特定の部位に集中してあらわれます。

代表的な単末梢神経障害の種類と症状

単末梢神経障害の代表的なものとして、橈骨神経麻痺・正中神経麻痺・尺骨神経麻痺・腓骨神経麻痺の4種類を挙げることができます。
それぞれの麻痺があるとどんな症状が出てくるのかを知っておくと、早期発見しやすくなります。

橈骨神経麻痺

橈骨神経は、脇から出て上腕の外側から前腕に走る末梢神経です。上腕部の長時間圧迫を加えると橈骨神経麻痺になり、手首を反らせることができずに垂れ下がったままになります。

正中神経麻痺

正中神経は、肘・前腕の掌側の中央を走り、手根管を通じて親指・人差指・中指に分布しています。手根管で正中神経麻痺が生じた状態を、特に手根管症候群と呼んでいます。親指や人差し指のしびれが初期症状ですが、次第に手首を曲げると痛みが出てくるようになります。

尺骨神経麻痺

尺骨神経は、肘の内側を走り、前腕の小指側から小指と薬指に走る神経です。尺骨神経麻痺麻痺を発症すると、親指と薬指で物をつかむことができなくなる症状に悩まされます。

腓骨神経麻痺

腓骨神経は、膝の裏側から外側に回り、腓骨に沿って下腿の前側に分布します。足を深く組んであぐらをかいたときに腓骨神経麻痺が生じ、足がしびれて歩きにくくなります。

これらの症状が続くようであれば、単末梢神経障害を発症している可能性があります。

単末梢神経障害はどうやって治療するの?

単末梢神経障害の治療は、神経が障害される原因を改善することが必要です。生活習慣の改善や、神経の走行路に狭窄部位などがある場合には、それらの狭窄を改善するための手術が必要になることもあります。

また、軽度な場合にはメチコバール®など神経の修復を促すビタミンが含まれた内服薬や神経にダメージを与える物資の生成を阻害するリリカ®などによる薬物療法が行われます。

単末梢神経障害は予防できる?

単末梢神経障害は、なるべく症状が軽いうちに治すためには早期発見が大切ですが、症状が起こらないように予防することも大切です。

橈骨神経麻痺は、上腕部の神経が長時間圧迫されることが主な原因です。腕枕で寝たり、上腕中央外側を圧迫するような動きは控えてください。
正中神経麻痺が原因の手根幹症候群の予防法は特にありませんが、手首に負担をかける作業は症状を悪化させる恐れがあるので避けましょう。
子供の頃に肘を骨折し、変形が残っていると、麻痺しやすくなります。小指と薬指に麻痺が出てきたら尺骨神経麻痺を疑い、整形外科を受診しましょう。

腓骨神経麻痺は、膝の外側に圧迫を加えないことが予防のポイントです。特に寝たきりの高齢者の場合は、やわらかい枕を膝の両側にあてがってあげるなどして予防しましょう。

また、単末梢神経障害は、骨折やケガがきっかけで発症することもあります。このため、骨折やケガをしたことがある場合は、しっかり治すことも大切です。

おわりに:単末梢神経障害の症状は、腕や手、足にみられるしびれが代表的。症状が続いたら早めに医療機関へ

単末梢神経障害の症状は、橈骨神経麻痺、正中神経麻痺、尺骨神経麻痺、腓骨神経麻痺の4つに分類できます。しびれの原因となる神経の部位によって、あらわれる症状が異なります。腕や手、足のしびれが続いているなど、気になる症状がみられたら、早めに医療機関を受診しましょう。

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