子供に多い肘内障、起きる原因と症状の特徴とは?

2018/3/1 記事改定日: 2020/2/6
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

子供に多いケガのひとつに、「肘内障(ちゅうないしょう)」があります。
今回の記事では、肘内障の特徴的な症状や発症原因、放置した場合のリスクなどをお伝えしていきますので、早期の対処に役立ててください。

肘内障(ちゅうないしょう)が起こるのはなぜ?

肘内障(ちゅうないしょう)とは、7歳くらいまでの子供の肘で起こりやすい亜脱臼のことです。

肘内障は肘にある橈骨頭(とうこつとう)が外れますが、7歳くらいまでの年齢の子供の肘の関節は橈骨という骨の関節端の成長が不完全です。そのため、橈骨頭を支える靭帯から逸脱しやすくなっています。

原因として多いのは、不意に腕をひねる、引っ張るなどの外力が突発的に加わったことです。子供同士が遊んでいるときに起こることも多いですし、親が子供を連れて歩いてるときになることもあります。
なお、小学生低学年以降になると橈骨が大人の形状に近づくので、肘内障の発症率も少なくなります。

肘内障になるとどんな症状が出るの?

肘内障が起きると、肘が伸びた状態で垂れ下がり、曲げることが出来なくなります。ただし脱臼しているといっても完全に関節が外れているわけない「亜脱臼」の状態です。

関節の外面は関節包という組織で覆われているのですが、完全に外れてしまう「脱臼」が起きると、関節包を突き破って骨の関節端が逸脱します。
これに対して、亜脱臼である肘内障では、関節包を破壊することなく橈骨の関節端が関節包の内部で少し外れた状態になっています。

肘内障の症状や子供の様子の変化

肘内障が起こったときには、次のような症状や様子の変化が見られます。
当てはまる項目が多い場合は、肘内障を発症している可能性がありますのでできるだけ早く病院を受診するようにしましょう。

  • 腕を引っ張ったり、転んだりした直後に肘のあたりを強く痛がる
  • 肘をやや曲げたまま伸ばすことができなくなる
  • 腕を上げようとすると痛みが強くなるため泣き叫ぶ
  • 腕が麻痺したようにだらりと垂れたまま動かせなくなる
  • 腕に触れようとすると嫌がってなく
  • 肘関節に腫れや赤みを伴うことはない

子供の肘内障にはどう対処すればいいの?

肘内障を長期にわたって放置していると靭帯が固くなってしまい、治療が難しくなってしまうことがあります。
肘内障は応急処置も可能ではありますが、無理にねじると状態を悪化させるおそれがあるので、必ず病院を受診するようにしてください。

小児科や整形外科での適切な手技により関節は元の正常な位置に納まるので、治療自体は比較的スムーズに終了します。正しく整復されれば痛みは消え去り、運動にも支障がなくなります。しばらくすると、子供は何事もなかったかのように動き回れるようになるでしょう。

治療後の流れ

肘内障は、治療後3日程度の期間は再脱臼を起こしやすいので、自分で意識して動作するには問題はありませんが、外力が加わるようなことが無いよう注意を払わなくてはなりません。

子供同士の遊びでは腕を引っ張る動作をすることが多いので、とくに注意が必要です。
子供本人にしっかり注意を促し、友達や友達のご両親にも一声かけておきましょう。習慣的に肘内障を起こしてしまうときは、4〜5日間は包帯やサポーターで肘を固定するなどの措置を試してみてください。

おわりに:肘内障は日常の当たり前の行動で起こりうる。気になるサインは放置せず病院へ。

肘内障は、親が子供の手を引くときや子供同士の遊びのときに起こることが多いです。長らく放置すると深刻な状態になることもあるので、肘内障の症状があるときだけでなく、肘に違和感を感じている様子があるときは早めに病院へ連れていきましょう。

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