痛風対策に効果的な方法とは。 食事・運動・水分補給がポイント?

2018/3/5 記事改定日: 2018/3/14
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

痛風は血液中の尿酸値が高くなり過ぎることで起こります。
今回は痛風対策に効果的といわれる方法を、食事・運動・水分補給を中心に紹介します。

痛風はどんな病気?

痛風とは尿酸の値が高い状態である高尿酸血症になり、関節の痛みや腫れなどといった症状を起こす病気です。
わたしたちの体では、細胞内の遺伝子(核酸)の構成成分であるプリン体が代謝されるときに尿酸という老廃物が出るようになっていますが、血液中の尿酸が多くなり過ぎると過剰な尿酸が結晶化して尿酸塩という物質になります。この尿酸塩が関節に沈着して炎症を起こすことで激痛が生じるのです。

痛風の代表的な症状は足の親指の付け根などの強烈な痛みです。
突然激しい痛みが起こり、患部が赤く腫れ上がるのが特徴で、多くの場合は7~10日で自然に治まります。
痛風は発作が起こるまでは無症状ですが、何度も繰り返すうちに発作の間隔は短くなり、さらに悪化すると他の関節に痛みが広がります。加えて間質性腎炎(腎臓の尿細管やその周囲の組織である間質に炎症を起こす病気)を起こしたり、生活習慣病を併発する可能性もあるので注意が必要です。

痛風のリスクを低下させる食べ物とは?

以前は痛風対策といえばプリン体の摂取量制限でしたが、最近では過剰に作られる尿酸を防ぐことと、尿酸の排出が妨げられないようにすることの2つが重要視されています。
上記の観点から、緑黄色野菜に代表される「アルカリ性食品」と牛乳やヨーグルトに代表される「乳製品」が痛風対策に効果的だといわれています。

〈1〉アルカリ性食品について

尿が酸性に傾いていると尿酸が排出されにくく、アルカリ性に傾くと尿酸が排出されやすくなるという特徴があります。そのため、痛風を改善するには尿をアルカリ性に傾ける必要があります。
通常の尿は弱酸性ですが、過度の疲労・食事内容・飲酒などによって酸性に傾いてしまうので、アルカリ性の食品を積極的に取り入れて尿をアルカリ性に傾けることが大切です。

アルカリ性の食品とは「ナトリウム」「カルシウム」「カリウム」「マグネシウム」が含まれる食品のことで、具体的にはホウレンソウ、ニンジン、小松菜などの緑黄色野菜などがおすすめです。

〈2〉乳製品について

乳製品には「カゼイン」という成分が含まれていますが、「ガゼイン」には腎臓に溜まった尿酸を排出する作用があります。
実際に1日にコップ1杯(およそ200ml)の低脂肪乳を飲むことで、痛風の発症のリスクが40%ほど低下するというデータがあるほどです。
「カゼイン」は牛乳の他にヨーグルトにも多く含まれるので、積極的に摂り入れるようにしましょう。
(※ただし、体質によっては乳製品が合わない場合もあるので、乳製品を多めに摂っても問題ないかどうか、事前に医師に確認してもらいましょう)

栄養バランス良く、色々な食品を食べることが大切

上記で紹介した食品だけを食べていれば痛風が改善するというわけではありません。
食事は主食(ごはん・パン・麺などの炭水化物)、主菜(肉・魚・卵・豆腐などのタンパク質)、副菜(野菜類)を組み合わせて摂るようにしましょう。
(※果物は果糖が多いため摂りすぎないように注意が必要です)

痛風対策によい運動方法はある?

痛風の改善にはウォーキングや水泳などの有酸素運動が効果的です。
ただし、短距離走、ウェイトリフティングなどの筋力トレーニング、競技スポーツなどの運動中のに会話ができないほどのレベルの運動は尿酸値を上げてしまう可能性があるので避けるようにしてください。
どのような運動をしたらよいかは医師に相談しましょう。

痛風対策には水分補給が効果的!

尿酸の排泄を促すには水分をしっかりと摂取することが効果的です。水分を多めに(1日の水分摂取量の目安は2リットルです)摂取することで尿の量が増え、尿酸が排泄されやすくなるからです。
なお、水分を摂取すればそれだけ尿酸が排泄されるというわけではないので、目安量から無理をして摂取する水分の量を増やす必要はありません。

また、ビールなどのアルコール飲料と果糖などを含むジュースや清涼飲料水には尿酸値を上げる作用があるため尿酸が排泄されにくくなります。
アルコール飲料とジュースや清涼飲料水はできるだけ摂らないようにしてください。

痛風発作が起きたときの対処法

痛みがあらわれたら患部を高い位置に上げて痛みを感じる部分を冷やしましょう。
このときに、マッサージなどで患部を揉みほぐさないようにしてください。
また、市販の鎮痛薬は、成分によっては症状を悪化させる可能性があるため、薬剤を服用する場合は医師から処方された物以外は避けてください。
症状がある程度落ち着いたら、できるだけ早く病院を受診しましょう。

おわりに:痛風は放置すると重症化する可能性も!早めの対策が大切

痛風を治療せずに放置していると、重症化して腎不全や痛風結石に発展して至る所の関節が炎症を起こすリスクが高くなります。
足の親指の痛み・腫れ・赤みなどの症状がある場合は、早めに病院で診てもらいましょう。
また、治療中は自己判断で薬の服用を止めたり量を減らしたりせず、医師の指示にしたがって尿酸値のコントロールを続けていくことが大切です。

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