ダニに刺されたときの症状と対策 ― アレルギーとはどう違うの?

2018/3/6 記事改定日: 2018/5/23
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

布団や畳、カーペットなど、家の中のいたるところにダニは潜んでいます。また、屋外の藪のなかにはマダニというSFTSウイルス感染を引き起こすダニが潜んでいるのです。この記事では簡単にできるダニ対策を紹介しています。

ダニに刺されるとどのような症状が出る?

ダニは、人の身体の中でも皮膚が柔らかく刺しやすい腕の内側、脇腹、下腹部、太ももなどを狙って刺し、体液を吸い取ります。
刺された場合の症状としては、0.5~1cmほどの赤い腫れや発疹とともに、かきむしって皮膚を傷つけてしまうほどの激しいかゆみに見舞われるのが特徴です。

また、マダニに刺された場合はマダニが媒介する「SFTS(重症熱性血小板減少症候群)」ウイルスに感染し、発熱、嘔吐、意識障害などの症状に見舞われることもあります。

ダニに刺されてしまったらどうしたらいい?

ダニに刺され、かゆみや腫れ、発疹の症状が出た場合には、まずは患部を水でよく洗い流してください。
その後、かゆみ止めの作用を持つ「抗ヒスタミン成分」が含まれたステロイド外用剤を患部に塗って治療します。

かゆみ止め効果のあるステロイド外用剤は薬局などでも購入できますが、症状の程度や肌の状態によって適切に使い分けることが望ましいため、医師に処方してもらう方が良いでしょう。

ただし、1~2週間にわたって皮膚にとどまり吸血し続ける「マダニ」に刺された場合は、SFTSウイルス感染のリスクを下げるためにも無理に引きはがそうとせず、すぐに病院を受診し、医師による処置を受けてください。

市販薬

ダニに刺されると、強いかゆみが生じますが、一般的には病院での治療を必要とせず、強いかゆみなどがある場合にはムヒ®アルファやウナコーワ®エースなどのかゆみ止めとして知られる市販薬で症状を改善することができます。

しかし、症状が治まらないときやかゆみが悪化したり刺された部位が腫れたり痛みがある場合には、刺されたことで局所的に強いアレルギー反応が引き起こされていたり、細菌感染が起こっている可能性があります。このような場合には市販薬を続けていても効果はありませんので、皮膚科を受診して適切な治療を受けるようにしましょう。

ダニに刺されないようにするにはどうしたらいい?

ダニに刺されることを予防するには、こまめに換気や除湿、掃除を行い、ダニが生息しやすい環境や栄養源を奪うのが効果的です。

具体的には、換気やエアコン・除湿器による湿度調整、寝具類のこまめな洗濯、掃除器をかけてダニの栄養となる垢やフケを減らすなどの対策を行いましょう。
これらの対策で効果が見られない場合は、ダニ用の燻煙剤で殺虫してください。

なお、屋外でマダニに刺されることを予防するには、長袖と防虫スプレーで肌を守り、外出後の入浴でマダニに刺されていないかのチェックをすることをおすすめします。

家に潜むダニ

室内に潜み、繁殖する可能性のあるダニの代表的なものは、ヒョウダニ、コナダニ、ツメダニの3種類です。

ヒョウダニ

屋内に潜むダニのうち7~9割を占めるとされているヒョウダニは、人の出すフケや垢を栄養とし、年間を通して枕やベッド、カーペットに生息しています。

コナダニ

コナダニは、高温多湿を好むため梅雨時に発生しやすく、畳、食品、医薬品で増殖し、医薬品や食品の衛生面に重大な影響を及ぼす可能性のあるダニです。

ツメダニ

ツメダニは、本来あまり室内で繁殖する種類のダニではありませんが、ヒョウダニやコナダニを捕食するために、室内のカーペットやベッドに発生する可能性があります。

全てのダニが刺すの?

上記のように、室内には3種類のダニが潜んでいる可能性がありますが、ヒョウダニとコナダニはアレルゲンとなることはあっても、人を刺すことはありません。
室内に生息するもので人を刺す可能性が高いのはツメダニということになります。

ダニアレルギーとダニに刺されたときの違いは?

ダニアレルギーで生じる皮疹の正体は蕁麻疹です。蕁麻疹はアレルゲンであるダニの死がいや糞などを吸い込んで体内に取り込むと、マスト細胞と呼ばれる免疫細胞の一種からヒスタミンが分泌されます。
ヒスタミンは強いかゆみを作りだす成分で、皮膚の毛細血管に作用して血液の中の血漿成分を真皮の中に漏出されます。これによって皮膚が膨れ上がるような皮疹が現れるのです。

蕁麻疹はヒスタミンの作用によって強いかゆみが生じますが、掻きむしることで、ヒスタミンがどんどん広がってしまい、かゆみや皮疹が悪化するという特徴があります。
蕁麻疹は一時的に強い症状が出ますが、多くは一時間ほどで症状は改善し痕を残すことはありません。

一方、ダニ刺されでは強いかゆみを生じるという共通点はありますが、皮疹は刺された部位が赤みを持って腫れるもので多くは「刺し口」が見られます。また、通常は刺された痕は一週間ほど残るのが特徴です。

アレルゲン対策

ダニによるアレルギーを防ぐには、アレルゲンを可能な限り除去することが大切です。ダニは自然界に広く生息し、特に家庭内では繁殖しやすい場所が多く、完全に除去することは困難です。
しかし、こまめな掃除や換気を行い、ダニが好む多湿の環境を防ぐために適度な除湿を行うことはダニの繁殖やアレルゲンの散布を最大限に抑えることが可能です。家庭内でダニアレルギーの人がいる場合には、家族で協力して可能な限りアレルゲンを除去した環境を作るようにしましょう。

おわりに:ダニ刺され予防のためにできる対策はある!刺された場合の対処法とあわせて知っておこう!

人間から出るフケや垢、体液を栄養源とするダニを徹底的に排除するのは、ほぼ不可能です。しかし、ダニに刺される被害を予防するために、できる対策はあります。ダニ刺されの予防法と室内にダニを増やさないための対策を日ごろから実践し、いざというときのために、刺された場合の対処法も事前に把握しておきましょう。

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