下痢や軟便などと密接な関わりを持つ「腸内フローラ」とは?

2018/3/9

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

CMや広告などで、「腸内フローラ」という言葉を聞いたことはありませんか?この腸内フローラは、下痢や軟便などの症状と密接なつながりがあると言われています。以降で詳しく解説していきます。

腸内フローラって何のこと?

人の腸内にはさまざまな細菌が存在しており、その数は600兆個以上にもなります。これらの細菌は、顕微鏡でみるとまるでお花畑のようにみえることから、「腸内フローラ」と呼ばれます。

腸内フローラに存在する腸内細菌は「人体に対する働き」という観点から善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3つに分類されることがあります。ただし、悪玉菌であっても適切な量の悪玉菌は人体に欠かせません。

まず、善玉菌は体によい働きをします。ビフィズス菌や乳酸菌などが代表的で、悪玉菌の増殖や侵入を防いだり、腸の運動を活性化させることでお腹の調子を整えたりします。

悪玉菌は体に有害な働きをします。ウェルシュ菌や黄色ブドウ球菌などが代表的です。これらの菌は腸内で有害物質を作り出し、便秘や下痢などのお腹の不調を引き起こします。

日和見菌は、よい働きと有害な働きを併せ持つ菌で、善玉菌と悪玉菌の優位な方に同調して働きます。

これらの腸内に生息する細菌は、生活習慣や食生活、年齢などによって大きく変化し、そのバランスによって人の健康に影響を与えます。

腸内フローラのバランスが崩れるとどうなるの?

腸の健康を保つには、善玉菌、悪玉菌、日和見菌という腸内フローラのバランスを整えることが重要です。腸内フローラのバランスとして理想的なのは、善玉菌が2割、悪玉菌が1割、日和見菌が7割と言われています。

人の腸内では、善玉菌が悪玉菌の侵入や増殖、定着を防いでいます。さらに善玉菌には、免疫細胞を活性化したり、有害物質を体外に排出するのを促進する作用もあります。

腸内フローラのバランスは、体調や食生活、年齢、ストレスなどさまざまな要因で変化しますが、何らかの要因で腸内フローラのバランスが崩れ、悪玉菌が優位になってしまうと、腸内の有害物質が増加します。悪玉菌が作り出す有害物質は、下痢や便秘などを引き起こすだけではなく、腸から吸収され血液によって全身に運ばれ、生活習慣病や肩こり、肌荒れ、老化などさまざまな不調をもたらすとされます。

腸内フローラのバランスを整える方法

腸内フローラのバランスを整えるには、善玉菌を増やすことが重要です。そのためには、食生活が大切になります。

まず、食物繊維は悪玉菌が作り出す有害物質の体外への排出を促進してくれるのでおすすめです。また、ミルクオリゴ糖(ラクツロース)は善玉菌を活性化する作用があります。

ヨーグルトを摂ることも重要です。ヨーグルトにはビフィズス菌や乳酸菌などが含まれており、これらの菌には悪玉菌の働きを抑える働きがあります。体外から摂取したビフィズス菌は腸内に長い間いることはできませんが、もともと腸内に生息しているビフィズス菌を活性化する働きがあります。

おわりに:食生活を改善して腸内フローラのバランスを整えよう

腸内には、腸内フローラと呼ばれる細菌が生息していて、善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3つに分類されます。このうち、偏った食生活やストレスなどによって悪玉菌が優位になると、下痢や便秘などの不調を引き起こします。普段から食物繊維やヨーグルトを摂り、栄養バランスの良い食生活を送って腸内フローラのバランスを整えましょう。

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