歯槽膿漏はどんな病気? 歯周病とは違うの?

2018/2/16

記事監修医師

日本赤十字社医療センター、歯科・口腔外科

川俣 綾 先生

歯の病変の一種である「歯槽膿漏」。病名は聞いたことはあっても、具体的にどんな状態なのか、イメージできない方も多いのではないでしょうか。症状や原因、治療法などを詳しく解説していきます。

歯槽膿漏と歯周病の違い

歯槽膿漏とは、細菌によって歯茎の内部に炎症が起こり、歯と歯茎のつなぎ目や歯を支えている骨などが破壊されている状態です。歯槽膿漏が進行すると、歯を支えている骨が破壊されてしまうため、最終的には歯が抜けてしまいます。

歯槽膿漏の前の段階を歯肉炎といいますが、歯肉炎は歯垢の中にいる細菌によって歯茎に炎症が起きている状態です。歯肉炎であれば歯磨きを正しく行うなどのセルフケアで治療できますが、歯槽膿漏は歯科での治療が必要になります。

なお、歯槽膿漏と似たような病名に歯周病がありますが、両者は同じ病態を指す言葉で、歯槽膿漏とは重度の歯周病を意味します。

歯槽膿漏の代表的な症状と原因

歯槽膿漏の代表的な症状としては大きく4つあげられます。

一つ目が、歯茎からの出血です。歯槽膿漏になると歯茎の炎症によって、食事や歯磨きなどで歯茎から血がでるようになります。重症になると、何もしなくても出血するようになります。

二つ目が、歯茎からの膿です。歯槽膿漏によって歯茎の炎症が進行すると膿が出るようになります。

三つ目が、口臭です。歯槽膿漏になると、口の中の細菌が増加します。その細菌によって口臭が強くなります。また、膿が出るとその臭いも混ざり、さらに口臭が強くなります。

四つ目が、歯茎の後退です。歯槽膿漏が進行すると、歯茎が痩せて後退します。歯茎が下がるので、歯が長く見えるようになります。歯の根元が露出した部分は、虫歯や知覚過敏になりやすくなります。

なお、歯槽膿漏の原因は口の中の細菌です。歯に歯垢がたまると、その中に生息する細菌が増殖しますが、これらの細菌は毒素を出して、歯茎に炎症を起こします。その結果、歯槽膿漏になってしまうのです。

歯槽膿漏の治療・予防法について

歯槽膿漏の治療では、歯垢を取り除くことや、いかに細菌が溜まりにくい口内環境にするかが重要になります。症状や進行度によって治療法は異なります。

まず、歯にこびり付いた歯石を取り除く治療法をスケーリングといいます。歯石は、死んだ細菌の塊です。歯石そのものが歯槽膿漏の原因になることはありませんが、歯石によって歯垢が溜まりやすくなってしまうので、取ることによって歯槽膿漏のリスクを低下させます。次に、歯周ポケットの内部の歯垢を取り除く治療法が、デブライドメントです。これらが歯槽膿漏を治すための基本的な治療法です。

他にも、歯垢を取り除くための手術や、壊されてしまった歯茎の組織を再生するための治療法など、さまざまな治療法があります。

歯槽膿漏にならないためには、歯垢をいかにコントロールするかが重要です。つまり、毎日正しい歯磨きをすることが大切ですが、しっかりと歯磨きをしたとしても、歯垢を完全に取り除くことはできません。そのため、定期的に歯科検診に行くことも大切です。

おわりに:歯槽膿漏で歯を失うことも!毎日の歯磨き+歯科検診で継続的なメンテナンスを

歯槽膿漏を放置すると、歯を失う可能性があります。予防するためには歯垢をしっかりと取り除くことが大切なので、日々の歯磨きと歯科検診で、歯槽膿漏を予防しましょう。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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