女性ホルモンの特徴を活かしてダイエットを成功させよう

2018/2/23

前田 裕斗 先生

記事監修医師

前田 裕斗 先生

月経などでホルモンバランスが周期的に変化する女性。女性がダイエットを成功させるには、この女性ホルモンの周期を活かすことが大切と言われています。その理由や具体的な方法について、解説していきます。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
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女性ホルモンと身体のリズムを知ることが大切な理由とは?

女性の体はホルモンバランスの変化により、いくつかの周期に分かれており、約28日で1サイクルを迎えます。この周期に合わせて体も心も変化します。

例えば、月経が終わる頃から始まる卵胞期は、女性ホルモンのエストロゲンの分泌が増加するため、精神面も安定し、体も軽く感じるので、活動的に行動できる時期です。このエストロゲンは排卵と妊娠への準備を促すため心と体のバランスを整えてくれます。エストロゲンの分泌が増えると、肌や髪に潤いが与えられると言われています。

一方、排卵後から次の月経までは黄体期と呼ばれ、排卵後にできる黄体という構造から分泌されるプロゲステロンの効果で、体も心も不安定になります。そのためにイライラしたり憂鬱になりやすかったり、肌の乾燥や、化粧のノリが悪くなったりします。この時期は無理をせずリラックスしてゆっくり休むべき時期とされています。

このように女性の体はホルモンのバランスによってリズムが決まっているので、それに合わせて生活しましょう。

ダイエットが成功しやすい時期/そうでない時期

まず前提として、過度で急速なダイエットを行うと女性ホルモンのバランスに悪影響を及ぼすことがあります。具体的には、女性ホルモンの機能が低下し月経の周期が乱れたり、妊娠出産という女性特有の大切な機能が働かなくなる可能性が出てきます。体に合わせて、健康的で効率の良いダイエットをすることがポイントです。

ダイエットに効果的なのは、気持ちも体も安定する卵胞期です。排卵前まではこの時期が続きエストロゲンの分泌が続くので、この時期がダイエットをするチャンスです。特に排卵日直前は筋肉量を増やす最高の時期なので、この時までに徐々に運動量を増やしていきましょう。食事をバランスよく食べ、間食はコントロールして、運動による脂肪燃焼効果を無駄にしないようにすることが大切です。

ダイエットに不向きなのは排卵後から次の月経までの黄体期です。プロゲステロンの分泌が盛んになるため食欲のコントロールが難しくなり、体が水分をため込もうとするのでむくみやすく太りやすい時期です。

ダイエットにも関係が深い、セロトニンと生理(月経)の関係性

月経前や月経中に気持ちが不安定になりやすいのは、セロトニンという物質が脳内で減少するからと言われています。

セロトニンには2つの機能があるとされています。2つは精神を安定させること、もう2つは満腹感を与え食欲を抑制させる働きです。イライラするのを食べて発散しようとするのはこのためです。特に甘いものが食べたくなるのは、甘いものを食べると一時期にセロトニンの分泌量が増え気持ちが落ち着く作用が働くからです。この状態を体が自然に記憶することで、セロトニン不足の時に甘いものを欲するようになると言われています。

女性の体は男性に比べるともともとのセロトニンの量が少ないので、不足した時に情緒不安定が顕著に現れるようです。しかも月経前のこの体調不良期には、脳内のセロトニン分泌量が減少するだけでなく、その伝達まで妨げられると言われているので、さらにその傾向が強く現れます。

ダイエット期間ならこの時期は過食を抑え、軽い運動で心も体もリフレッシュしましょう。

おわりに:月経周期を把握し、効果的なダイエットを!

せっかくダイエットに取り組もうとしても、時期によってはなかなか効果が得られず、かえって過食に走ってしまったりする恐れがあります。月経周期を把握し、その特徴を最大限活かすことが、ダイエット成功への近道です。

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