記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/3/16 記事改定日: 2019/3/7
記事改定回数:1回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
CMや広告などで、「男性型脱毛症(AGA)」という言葉を目にしたことのある方は多いかと思います。では、「女性男性脱毛症(FAGA)」はご存知でしょうか?FAGAは、女性の薄毛を招く要因の一つです。詳しくは以降で解説していきます。
男性の薄毛の原因としては「男性型脱毛症(AGA)」が一般的に知られていますが、女性の薄毛の場合には「女性男性脱毛症(FAGA)」が考えられます。
AGAの場合は、頭頂部や髪の生え際から徐々に髪が抜けていきますが、FAGAの場合は髪の分け目や頭全体から髪の毛がやせ細り抜けていくのが特徴です。FAGAの主な原因は女性ホルモンの減少で、老化が始まる30代頃から症状が出てくることが多いです。
また、AGAとの相違点として、進行性ではなく、抜け毛の範囲が広まっても完全に髪の毛が生えなくなる可能性は少ないです。とはいえ、早めに治療を開始したほうが改善の幅は大きいので、早期発見が重要です。
FAGAの原因は、女性ホルモンの減少です。女性ホルモンには髪の毛を生やして成長させる働きがあるので、逆に不足してしまうと生育が難しくなり、髪がやせ細って抜け毛が多くなってしまうのです。
女性ホルモンが減少する原因としては、まず加齢が挙げられます。女性ホルモンは10代前半から20代後半ごろがもっと分泌量が多い時期で、それ以降は少しずつ減っていきます。そして閉経が近づく50代頃になると、ピーク時の半分近くまで落ち込んでしまうのです。更年期に差し掛かると、髪の毛のボリュームが減ってしまうのはこのためです。
他に、出産・ストレス・睡眠不足なども女性ホルモンの分泌量の減少を招きます。この点から、薄毛でお悩みの女性は生活習慣の見直しをすることも有効です。
FAGAでは、頭皮に直接塗布する外用薬と内服薬が使用されます。
外用薬で最も多く使用されるのは頭皮の血行を良くするミノキシジルです。市販の女性用育毛剤にも含まれる成分であり、副作用はほとんどないとされています。
また、薄毛の原因となる「ジヒドロテストステロン」の生成を抑える成分が含まれたパントスチンが併用されることもありますが、多毛や月経不順などの副作用を引き起こすこともあるため慎重に投与する必要があります。
その他にも、一部の美容クリニックなどでは毛母細胞に働きかける成長因子が含まれた外用薬が使用される場合もあります。
一方、内服薬としては、発毛に必要なビタミンやアミノ酸などが含まれたパントガールが使用されます。パントガールは女性の高い発毛効果が確認されており、副作用がほとんどないため安心して使用することができます。
FAGAはホルモンバランスの乱れによって引き起こされることが多いため、予防のためには生活習慣を改善してホルモンバランスを整えることが大切です。
具体的には以下のようなことに注意してみましょう。
また、頭皮の血行を良くするためには、禁煙・節酒を行うことも大切です。
女性で、加齢とともに薄毛が目立つようになった方は、女性ホルモンの減少からくるFAGAの可能性があります。生活習慣の見直しで多少改善するケースもありますが、セルフケアでも改善しなかったり、根本的な治療をしたい方は、専門クリニックの受診をご検討ください。