亜脱臼はどんな状態を指すの? 脱臼とはどう違う?

2018/3/16

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

スポーツや交通事故などで起こることのある外傷・「亜脱臼」。では、この亜脱臼とはどんな状態なのでしょうか?脱臼との違いと併せて解説していきます。

脱臼について

脱臼とは、関節が本来の位置関係から逸脱した状態を言います。関節は骨同士が凹凸で連結されている部分であり、骨同士の連結を安定させる役割を持つ関節包で構成されています。しかし、何らかの要因で関節が本来おさまるべき位置になく、凹凸が外れてしまっている状態を完全脱臼と言います。

脱臼の代表的な症状としては、弾発性固定、持続性脱臼痛、関節変形、関節血種、腫脹があります。

弾発性固定

弾発性固定は関節の凹凸が外れているため、わずかな可動性と弾力性の抵抗が感じられ、力を緩めると元に戻ってしまう症状です。

持続性脱臼痛

持続性脱臼痛は関節包や靭帯、筋肉が圧迫されるために持続的に疼痛が生じる症状です。

関節変形

明らかに目視で確認できるほどの関節の変形です。

関節血種、腫脹

脱臼の際に関節包や靭帯、筋肉が損傷されて出血と血液の貯留によって生じるもので、腫脹を伴うことが多く見られます。

亜脱臼はどんな状態のことなの?

亜脱臼は脱臼とは異なり、関節面のズレは生じているものの凹凸が外れていない状態を言います。しかしながら、何らかの原因で脱臼を起こした既往がある場合には、関節構成体が脆弱になりやすく、少しの外力でも再び関節面のズレが生じやすい状態であるとも言えます。

亜脱臼に伴う代表的な症状は、完全脱臼ほどではありませんが、関節面のズレによる弾発性固定、持続性脱臼痛が現れやすくなります。特に疼痛については亜脱臼が生じる部位にもよりますが、関節構成体の軟部組織が炎症を起こし、その炎症が起因となって強い疼痛を伴うことが少なくありません。

なお関節変形については、亜脱臼では明らかに目視できる変形を伴わないことが多く、そのため捻挫との区別がしにくいことがあります。また亜脱臼では関節包の損傷を生じることが少ないことから、関節血種は生じにくい傾向がありますが、関節構成体が脆弱である場合は靭帯などが損傷して炎症や腫脹が起こる可能性はあります。

亜脱臼が起こる原因と治療法とは?

亜脱臼が起こる大きな原因は、関節に対しての過度の外力です。そもそも関節は身体の各関節によって特有の可動範囲や角度がありますが、その可動範囲や角度を超えるような外力を受けることで関節面がズレたり逸脱しやすくなります。

このような過度な外力が加わる状況として、身近なところではスポーツが挙げられます。例えば柔道やレスリングなど、関節技が多いものでは関節本来の可動範囲や角度を逸脱しやすい要因となります。その他にもサッカーなどでも関節に急激な外力がもたらされることがありますが、スポーツ以外でも交通事故や何らかの疾患が原因で亜脱臼が生じることがあります。

亜脱臼に対する治療では、関節の整復を行い、ズレた関節面を正常な位置に戻した上でサポーターなどで安静固定をして自然治癒を促します。ただ、亜脱臼時の整復では関節周囲の軟部組織の損傷を防ぐために、専門的な処置が必要となります。無理に自己治療しないようにしてください。

おわりに:関節の変形が見えなくても、強い痛みがある場合は亜脱臼の可能性が!

完全脱臼の場合は、目で見てわかるほどの関節の変形がありますが、亜脱臼の場合はそこまでの変形が見られないため、発見が遅れがちです。レスリングなどのスポーツの後、関節に強い痛みを感じるようになった場合は、早めに病院を受診するようにしてください。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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