記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/3/15
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
バストアップなどの美容目的で購入する女性も少なくない、「プエラリア」のサプリ。ただ、このプエラリアを摂取すると思わぬ副作用に見舞われてしまうことがあるのです。服用時の注意点などをまとめました。
バストアップのサプリメントとして、多くのメーカーから製品が販売されているプエラリア。このプエラリアの取り扱いに関して、平成29年に厚生労働省から通知が出されました。
これは、国民生活センターに副作用が疑われる健康障害の相談が多く寄せられていることや、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所が実施した調査でも体調不良を起こす事例が報告されたことを受けたものになります。
この通知では、製造における管理の徹底や消費者への情報提供、体調不良に関する記録や報告などが事業者へ促されています。今後も、事業者に対して監視・指導を行いながら、対応を検討していくとのことです。
プエラリアの副作用には、以下のような症状があると言われています。
・生理不順、不正出血
・腹痛、吐き気などの消化器症状
・頭痛、めまい
・肌荒れ
また、長期にわたって摂取した場合の影響として、子宮体癌のリスクが上がることも懸念されています。
プエラリアの摂取に関して心配されることは、過剰摂取になってしまうことです。プエラリアの含まれたサプリメントなどを多く取りすぎると、体の中でエストロゲンが多くなりすぎた状態になり、体に悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。
また、女性の体には周期があり、ホルモンバランスもそれに合わせて変化しています。エストロゲンの分泌がもっとも多くなるのは、生理(医学的には月経というのが一般的です)が終わる頃から排卵日にかけての時期です。この時期にプエラリアを摂取すると、エストロゲンが過剰になりやすくなってしまうことが考えられます。
このエストロゲンの分泌量は、年齢によっても違います。エストロゲンは思春期から徐々に増えて、30代半ばくらいまで活発に分泌され、閉経期にかけて徐々に減っていきます。プエラリアによる健康障害を訴えた人のなかで年齢が若い女性が多いのは、この変化が関係しているかもしれません。
プエラリアの1日あたりの摂取目安量は、1日200mg〜400mgと言われています。この量を超えないようにすることが大事です。
ただし、複数の健康食品をとっていると、トータルでみると量がオーバーしていることもあります。また、製品によっては1日あたりの摂取量が非常に多いものもありますので、摂取する前にどのくらいの量を含有しているか確認しましょう。
また、妊娠中・授乳中・初経前の人、子宮体癌や乳癌、子宮内膜症などの病気がある人(過去に治療をしていた人も含む)などは摂取を控えてください。
女性の体に良い影響をもたらすことが期待されているプエラリアですが、摂取量や摂取方法を間違えると健康障害を起こしてしまう可能性もあります。摂取する際は十分に気をつけ、体調に異変を感じたらすぐに医療機関を受診するようにしましょう。