記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/3/14
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
病院で薬を処方してもらえたのはいいものの、お子さんが飲むのを嫌がってしまうことはありませんか?特に子供は粉薬をうまく飲めない傾向にありますが、粉薬を上手に飲ませるにはどんな工夫が必要でしょうか。
お薬には、錠剤やカプセル以外にも粉薬があります。
粉薬はすぐに溶けて吸収するので、その分効果が早く現れるという特徴があります。体重や年齢や症状に合わせて用量を細かく調整できることも大きなメリットです。また、錠剤であれば1錠が10mgだと、半分に割っても5mgずつしか用量の増減ができませんが、粉薬の場合は微量の増減も可能です。
粉薬の中には、顆粒タイプやドライシロップもあります。顆粒は粉よりも粒が大きいので、苦みやにおいを抑えて飲みやすくなるように工夫されています。ドライシロップは甘みをつけた散剤や顆粒です。水に溶かしてシロップ状にして服用するのが基本ですが、粉のまま飲むこともできます。
また、近年は口腔崩壊錠(OD錠)と呼ばれるタイプの薬も出ています。口の中の唾液で自然に溶けるようにできているので、飲み込むことが難しい人でも容易に服用できますし、水がない場合でも服用することができます。
お子さんが粉薬を嫌がる場合に、無理なく飲ませる方法はいろいろとあります。まず、少量の水やお湯で溶いて飲ますという方法です。甘みがついている場合は、水で溶けば飲みやすくなります。この際、すぐ飲み終わるよう少量の水で溶かすことがポイントです。
赤ちゃんによく行われる方法は、少量の水でペースト状に練って、頬の内側や上あごに指で塗るというやり方です。塗ったら水やお茶やミルクを飲ませて、流し込みましょう。ただし、速やかに服用させることが大切です。時間がたつと味が変わったり薬の効果が落ちることがあります。
また、好きなものに混ぜるのも一つの方法です。アイスクリームやチョコレートやゼリーなどにまぜて、飲ませると良いでしょう。ただし、食べなくなると困るような栄養価の高い食品とまぜるのはNGです。万が一その食品が嫌いになり、食べなくなってしまうと栄養が偏る恐れがあるので、嫌いになったとしても栄養的に支障のない食品にしてください。また、混ぜると却って苦みが増す食品もあります。お薬をもらうときに薬剤師さんに確認すると良いでしよう。
お子さんが粉薬が苦手だと言う場合は、そのことを医師に話して他の剤型の薬に変更してもらいましょう。ドライシロップなら飲めるのであれば、薬によってはドライシロップに変更できる場合もあります。また、小さな粒の錠剤であれば上手に飲み込める子もいれば、服薬ゼリーを使って上手に飲む子もいるので、お子さんの得意な服薬方法を把握することも大切です。
なお、高齢者でもお子さんと同様に、粉薬はむせるから苦手だという人は多いです。そして、高齢者は唾液の分泌が少なくなるので、錠剤も上手く服薬できないことがあります。このような場合も医師に相談し、勝手に服薬を中止しないようにしてください。
粉薬を少量の水で溶いたり、おやつに混ぜて飲ませたりすると、子供でもスムーズに服薬できることが多いようです。ただ、薬によっては錠剤やドライシロップの処方ができるケースもあるので、お子さんが粉薬が苦手な場合は事前に医師に相談することをおすすめします。