意外と知らない!? 薬を服用するときに注意が必要なコトとは

2018/3/16

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

風邪などの際に病院で薬を処方してもらいますが、その薬を正しく安全に服用できているでしょうか?服薬にあたってのさまざまな注意点をお伝えしていきます。

「食前・食後・食間」はどのタイミングを指すの?

「薬を飲むタイミングはいつでもよい」と考えている方は案外少なくありませんが、指示されたタイミング以外での服薬は、薬が効きにくくなってしまったり、思わぬ副作用が出てしまうかもしれません。病院から処方された袋には「食前」「食後」「食間」とそれぞれ飲み方が書いてあるはずなので、飲む前にしっかりとチェックしましょう。

「食前」では文字通り食事の前に薬を服用します。主に、食べ物と薬が胃の中で混ざってはいけない胃腸薬や糖尿病の薬の服用方法です。食べ物と混ざってしまうと効果が弱まるため、食事と一緒に取らないようにしましょう。

「食後」は食事の後、なるべく早めに服用することを言います。食前とは逆に、胃の中を荒らしてしまう可能性があるため、胃が食べ物である程度保護されている状態で服用するのが望ましいのです。

「食間」は食事と食事の間、大体二時間前後ほど時間を空けて服用することです。薬が食事の影響を受けにくくする時間帯で、漢方などが処方されたときにこの飲み方が指示されます。

水又は白湯での服用が推奨される理由は?

水や白湯なしで薬を服用する人もいるかもしれませんが、これは推奨できません。小さい子供や、飲み込む力が弱いお年寄りの方は、錠剤やカプセルのままで飲むと喉の粘膜に張り付き、誤嚥したり喉を傷める恐れがあるので、絶対にやめましょう。薬は水分とともに服用することで喉をスムーズに通すことができ、胃を傷めることなく飲むことができるのです。

また、水がないからと錠剤をかじって飲み込むのもよくありません。薬の成分を胃や腸の奥でも届けられるようにコーティングされて作られています。かじるとコーティングが壊れ、本来届けられるべきところまで成分が届かなくなってしまいます。噛んで飲むのを防ぐためにも、一錠ずつ水と一緒にゆっくり飲みましょう。

なお、解熱鎮痛剤など胃を荒らす可能性があるものは、他のものよりも多めの水や白湯で飲むと安心です。また、手元に水がないからといってお茶やコーヒーで飲まないようにしてください。

注意が必要な「飲み合わせ」について

飲む薬によっては相互作用が働き、本来意図していた効果とは異なる効果が出てしまったり、副作用が出てしまう可能性があります。相互作用とは、一つずつ時間を空けたりして飲む分には問題は起きないものの、食事や他の薬との飲み合わせによってその中に含まれる成分が反応しあい、健康を害してしまう恐れを起こしてしまうもののことを言います。効き目が強くなりすぎたり、弱くなったりして、上手く力を発揮させることができなくなってしまいます。

例えば、抗菌薬と牛乳またはヨーグルト、グレープフルーツジュースなどの柑橘系の飲み物と高圧剤など様々な組み合わせがあり、普段から口にしている食事が相互作用を働かせてしまうこともあります。このため、飲み合わせについて医師に確認しておくことが重要です。

なお、サプリメントなどにも相互作用を引き起こす成分が入っていることがあります。病気の時は一時的にサプリを飲むのを中断し、相互作用が起きるのを予防しましょう。

おわりに:医師の指示を守って安全な服薬を!

薬を飲むタイミングを守らなかったり、水と一緒に飲まなかったり、相互作用を起こす食べ物と服薬してしまったりすると、薬の効果が得られないばかりか、思わぬ害が出てしまう場合があります。ご紹介したポイントをしっかり守って、安全に服薬しましょう。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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