記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2025/2/5
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
ドライノーズとは、鼻の中が乾燥してしまう状態のことであり、鼻の中の出血やかさぶたなどを引き起こすこともあります。また、ドライノーズは花粉症や風邪などにも関係しているといわれています。この記事では、ドライノーズの原因と予防・緩和に役立つ対策について解説していきます。
ドライノーズとは、鼻の中の粘膜が乾燥してしまう状態をいいます。鼻の中の乾燥感やムズムズ感が生じ、鼻水は出ないのに鼻をかみたくなります。症状が進むと出血したり、かさぶたができたりすることもあります。ドライノーズの大きな原因は乾燥です。エアコンの使用が多い現代では、何かと湿度が低い環境で過ごすことが多くなります。とくにオフィスやホテルといった気密性の高い建物の中では、空調設備の影響で湿度が著しく低くなることがあります。こういった乾燥した環境で生活の大半を過ごすことが、ドライノーズの原因のひとつと考えられています。また、アレルギー性治療薬の使用も、ドライノーズの原因になる可能性があります。
鼻の役割は、呼吸時の空気の加湿と、外からの異物への防御です。鼻は喉から気管を経て肺まで繋がります。呼吸によって外界から入ってくる空気には、花粉やウイルスといった異物が混ざっており、そのまま送ると肺に負担がかかります。そこで、粘膜にある線毛という細かな毛が空気の掃除をして守っています。線毛がくにはある程度の湿気が必要であり、湿気を補う役割を果たしているのが鼻や喉の粘膜です。ドライノーズになると鼻や喉の粘膜・線毛の機能が低下し、ウイルスや細菌、花粉やハウスダストなどの異物への防御機能が低下しやすくなります。
例えば、花粉の多くは線毛の働きによって体外に排出されますが、線毛が十分に働かなくなって花粉を排出しきれなくなると、体内に花粉が残り、花粉に含まれるアレルギーの原因となるタンパク質(アレルゲン)が粘膜から浸透し、アレルギー症状を引き起こす場合があります。また、乾燥を好むウイルスや細菌が体内に侵入・繁殖しやすくなり、炎症が起こる可能性も高くなります。
取り組みやすいドライノーズの予防・緩和対策として、以下が挙げられます。鼻の乾燥など、ドライノーズの症状が気になる人は試してみてください。ただし、対策を取ってもドライノーズが緩和しない場合は、治療が必要な場合があります。早めに医療機関を受診しましょう。
鼻の中は顔や手と違って簡単に見ることができないため、ドライノーズは重症化するまで気づかないこともあります。花粉症や風邪のリスクが高くなる可能性があるので、鼻の中が乾燥しているように感じる人は、耳鼻咽喉科などの医療機関を一度受診することをおすすめします。また、対策をしても症状が緩和しない場合は、早めに受診するようにしましょう。