姿勢が悪いことのデメリットと姿勢を直すための対処法とは?

2017/1/11 記事改定日: 2020/3/27
記事改定回数:2回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

悪い姿勢をとり続けると、体のどこかに負担がかかり、体全体のバランスが悪くなってきます。これは特定の筋肉に緊張を強いることになり、コリや痛みの原因になり体にとってよくありません。今回の記事では、姿勢が悪ままでいることのリスクと改善のヒントについて解説していきます。

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姿勢が悪いままでいることのデメリットとは!?

悪い姿勢が続くことで、私たちの体には様々なデメリットが生じます。
まず、悪い姿勢は全身の血行やリンパの流れが滞る原因となります。その結果、老廃物が溜まりやすく、むくみが生じ、基礎代謝が低下することで太りやすい体質になる可能性があります。

また、骨盤が歪み、内臓の位置が全体的に下がるために下半身に脂肪がつきやすくなったり、下っ腹がポッコリ飛び出した体型につながります。

さらに、姿勢が悪い状態は肩甲骨や背中、首周りの筋肉に過度な負担を引き起こし、慢性的な肩こりや腰痛の原因となることもあります。

悪い姿勢が病気の原因になることはある?

姿勢の悪さは肩こりや腰痛の原因になりますが、姿勢が悪い状態が長く続くことで以下のような病気を引き起こすこともあるため注意が必要です。

  • 腰椎、頚椎椎間板ヘルニア
  • ストレートネック
  • 便秘
  • 緊張型頭痛
  • 眼精疲労
  • 呼吸器疾患
  • めまい

首や腰など整形外科的な病気を引き起こすケースが多いですが、姿勢が悪くなることによって肺や腸などが圧迫されるなどして十分に機能しなくなると、臓器の機能が低下して整形外科的な病気以外のものも引き起こすことがあります。

また、姿勢の悪さは自律神経バランスの乱れを引き起こすこともあり、めまいや気分の落ち込みなどの原因になることがあります。

姿勢が悪くなる原因は?

姿勢が悪くなる原因には様々なものが挙げられますが、近年特に問題となっているのはスマホやパソコンの長時間使用による前傾姿勢によるものです
これらの電子機器の長時間使用やデスクワークは首や肩が前のめりの体勢になりやすく、姿勢の悪化を引き起こします。

また、よい姿勢を維持するには背中やお腹の筋肉に適度な緊張感が必要です。運動不足の人は筋力を適度に維持することができず、偏った姿勢になりやすくなります。
さらに、脚を組んだり、頬杖をつくなどの日常的な癖がある人は、体の重心がズレて偏った姿勢となることがあります。

悪い姿勢を治すための対処法

筋肉の緊張を和らげる

姿勢の悪さは、特に背中や肩の筋肉の柔軟性が低下して、理想的な姿勢が維持できないことが原因となることがあります
背中や肩周りの筋肉のマッサージやストレッチを行うことで硬くなった筋肉を和らげると、悪い姿勢が自然と改善することがあります。

筋トレをして姿勢を保つ筋肉を鍛える

体幹を支える筋肉の力を鍛えることで、姿勢がよくなることがあります。
トレーニングにはいくつかの方法がありますが、代表的なものでは、ドローインやクランチ、プランクなどがあります。

ドローイン

ドローインとは、「横になって膝を立てた状態で、お腹をへこませたまま呼吸をする」という訓練方法です。就寝前の時間に手軽に行うことができるトレーニングですが、ドローインはお腹や腰、背中の奥にある筋肉を根本から強化する効果があるため、体幹を鍛えるのに優れています。

クランチ

クランチはいわゆる「腹筋」を鍛えるトレーニングであり、横になった状態で上体のみを起こす運動や両足を高く上げてキープする動作などを繰り返すものです。クランチには多くのやり方がありますが、自身の体調や痛みの限界などを考えて適度なトレーニングが行えるものを選びましょう。

プランク

プランクとは、クランチと同情に腹筋を鍛えるトレーニングですが、うつぶせの状態で腕を使って体を持ち上げる動作をキープするものです。
クランチよりも腹筋に負担がかかりますので、クランチで十分に腹筋が鍛えられた人におすすめの方法です。また、腰への負担が少ないため、クランチで腰痛を引き起こす人はプランクを取り入れるとよいでしょう。

正しい姿勢で立つように心がける

正しい姿勢で立つためには、頭のてっぺんから糸でつられているようなイメージをしてみましょう。良い姿勢とは、背骨の自然なカーブを保ちつつ、首と肩が腰に平行に来るように、まっすぐ立つことです。

  • リラックスした状態で肩を後ろに持っていく
  • 腹部を引っこめる
  • 足を肩幅と同じ幅に開いて立つ
  • 両足に力が均等にかかるように立つ
  • 頭を前後左右に傾けないようにする
  • 膝に力を入れないで脚をまっすぐに伸ばす

姿勢が悪くないか、自分のクセをチェックしてみよう!

いつのまにか悪い姿勢がクセになってしまっていませんか?以下のことをチェックして、自分のクセを把握しましょう。

椅子
  • 浅く座って背もたれに寄りかかる
  • あごを突き出して座る
立つ
  • お尻を突き出して立つ
  • 背中を平らにして前かがみで立つ
  • 片足重心で立つ
姿勢
  • 猫背とストレートネック
  • 肩が丸まっている

おわりに:自分の悪いクセを自覚し、早めに対策を始めよう

体のどこかに負担のかかる姿勢を長く続けていると、必ずその影響が頭痛やコリや痛みなどで出てきます。クセを直すのには長い努力が必要です。自分の立ち姿、座った姿を意識することでクセをある程度改善できますし、筋トレやストレッチが姿勢改善に役立つこともあります。
まずは早めに自分のクセを自覚できるように、チェックしてみましょう。

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