ビタミンDの1日の摂取量の目安は?不足したときのリスクとは?

2018/3/22 記事改定日: 2019/5/15
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

ビタミンDは、骨の健康を保つために必要な栄養素です。もしビタミンDの摂取が不足したり、過剰になったりすると、どんなリスクが生じるのでしょうか?
ここでは、ビタミンDの1日の摂取量の目安について解説していきます。

ビタミンDにはどんな働きがあるの?

ビタミンDは、油脂に溶けやすい性質のあるビタミンの一種で、カルシウムやリンの体内代謝に役立ち、特に骨格や歯を健康に保つ働きがあるとされます。また、人体の免疫力を向上させて癌や糖尿病を予防できる可能性も指摘されており、ビタミンDの作用についてはさらなる研究が進められています。

ビタミンDにはいくつかの種類がありますが、人体に必要なのは「ビタミンD2 (エルゴカルシフェロール)」と「ビタミンD3(コレカルシフェロール)」の2種類です。

D2は干ししいたけや海藻など植物に由来するビタミンDで、D3は魚肉や鶏卵などに含まれる動物性のビタミンDです。D3のほうは、日光を直接浴びることで人体の中で生成することもできます。

ビタミンDは1日にどれくらい摂取すればいい?

ビタミンDの摂取量の目安は、成人の場合は1日あたり5.5㎍です。妊婦や授乳婦は必要量が増すため、やや多めに7~8㎍ほどを目安とします。
また、ビタミンDは過剰に摂取すると思わぬ健康被害を生むことがありますので、1日あたり100㎍以上の摂取は控えるようにしましょう。

ビタミンDが不足すると、どんなリスクがある?

ビタミンDが不足すると、カルシウムやリンの代謝が低下し、骨格や歯の形成や維持が進みにくくなります。

骨軟化症
骨格が変形する
骨粗鬆症
骨の密度が低下してもろくなる

などの病気を引き起こすリスクが高まります。

また、乳幼児がビタミンDの欠乏状態になると、「くる病」に罹患するおそれもあります。くる病は、胸骨や肋骨、頭蓋骨など人体をつくっている様々な骨が曲がってしまう病気で、歯もボロボロになってしまいます。起立することや歩行することも難しくなってしまいますので、子供のQOL(生活の質)も低下しかねません。

ビタミンD不足を防ぐためには、どうすればいい?

ビタミンDは魚介類とキノコ類に多く含まれているため、積極的に摂るようにしましょう。特に、いわしやサンマには1尾で約15㎍ほどのビタミンDが含まれていますので、一日一食は魚料理にすると安心です。

また、ビタミンDは皮膚でも生成されており、そのためには適度な日光を浴びる必要があります。室内に引きこもりがちの生活を続けていると、ビタミンDが不足しがちになるため注意が必要です。特に外出が億劫になる暑い時期や寒い時期は食事やサプリメントでビタミンDを意識的に摂るようにしましょう。

ビタミンDは摂りすぎにもリスクがあるって本当?

厚生労働省が定めている「日本人の食事摂取基準」によれば、成人は1日に100μgのビタミンD摂取が上限とされています。
もしそれを上回るビタミンDを摂ると、ミネラル代謝が過剰となり、血液中のカルシウム分が多くなる「高カルシウム血症」となる恐れがあります。心臓や腎臓など様々な臓器にもカルシウムが沈着しやすくなり、以下のような症状が出る可能性があります。

  • 食欲不振
  • 便秘や下痢、嘔吐
  • 腎障害(尿毒症)による体調悪化
  • 軟組織の石灰化

普通に食事を摂っている限り、ビタミンDの摂り過ぎになるおそれはまずありません。ただし、ビタミンDを補うサプリメントを飲み過ぎた場合は、これらの「ビタミンD過剰症」に陥る恐れがあります。

おわりに:ビタミンDを含む食品の摂取と日光浴を習慣的に行おう

ビタミンDは体内でつくることもできますが、食事から摂るのが基本です。キノコや海藻、魚肉や鶏卵、レバーなどに多く含まれていますので、これらを摂取するか、好き嫌いが激しい方はサプリメントで補いましょう。
また、体内でビタミンDをつくるには、皮膚が日光を浴びなければなりません。部屋にこもり続ける生活や日焼けを過剰に避ける服装は、ビタミンDの不足を引き起こしやすいので注意しましょう。

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