必要不可欠なミネラル、銅。不足するとどのような影響がある?期待される効果とは?

2018/4/14

山本 康博 先生

記事監修医師

東大医学部卒、独立行政法人国立病院機構東京医療センター

山本 康博 先生

生命の維持活動に欠かせないミネラルの一つ、「銅」。この銅が不足すると、身体にどんな影響が出るのでしょうか?銅の持つ効果と合わせて解説します。

銅は生命活動に不可欠なミネラルの一つ

銅は、赤血球の形成をサポートし、体内酵素の働きと骨の形成を助ける、生命活動に不可欠なミネラルの一種です。また、体内でたんぱく質と結びつき、鉄の働きをサポートします。

銅は体内に約80mg存在しており、そのうち半分は骨や筋肉、約1割は肝臓に存在しています。ほとんどが小腸で吸収され、肝臓に運ばれ蓄えられます。なお、カニやエビなどの甲殻類、タコやイカ、レバー、アーモンドなどの種実類、茶葉などにも銅は含まれます。

銅にはどのような効果が期待されている?

銅には、次のような効果があると言われています。

貧血予防

先述の通り、銅は鉄の働きをサポートするので、貧血予防の効果があるとされます。

赤血球にあるヘモグロビンは血液の色素であり、全身の組織に酸素を運ぶ役割があります。鉄は、このヘモグロビンの構成成分です。しかし、いくら食事で鉄を摂取しても、そのままヘモグロビンの合成に使えるわけではありません。しかし銅の働きによって、ヘモグロビンがうまく合成されるようになるため、銅は貧血の予防に効果があるといわれるのです。

動脈硬化予防

赤血球にある銅の多くは、「SOD酵素」の中に存在します。SOD酵素には、生活習慣病などの原因となる活性酸素を分解し、過酸化脂質の増加を抑える作用があります。過酸化脂質が増加すると動脈硬化が促進されるので、銅はその予防に役立つと考えられています。

免疫力の向上

銅は、生命に必須の酵素「シトクロムCオキシダーゼ」の構成ミネラルでもあります。免疫細胞も例に漏れずこの酵素が必須であり、この点から、銅の摂取には免疫力の向上効果があると考えられます。

美容効果

​銅は、毛髪の色素であり、肌を紫外線から保護するメラニン色素の生成に必要な酵素「チロシナーゼ」の合成に関わっています。このことから、銅は健康的で美しい髪や肌のために必要と言われています。

銅が不足する「銅欠乏症」とは?

銅欠乏症とは、銅の極端な不足によって貧血や疲労、白血球数の減少などが起こる病気です。骨粗しょう症や神経損傷が引き起こされることもあります。

銅欠乏症は、健康な人にはほとんど起こりませんが、未熟児や重度の低栄養、減量手術をした人、亜鉛を摂り過ぎた人などは起きる可能性があります。

特に男子乳児は、銅欠乏症を起こす遺伝子異常を受け継ぐ場合もあり、これは「メンケス症候群」と呼ばれています。メンケス症候群は、知的障害や嘔吐、下痢、皮膚の変色などが主症状です。

銅の摂取量の目安とは?

銅の摂取量の目安は、1日あたり0.8〜1mgです。男性と女性、成人以降の年代別で大きな差はありません。なお、耐容上限量は1日10mgです。

銅を豊富に含む食品としては、牡蠣やスルメ、レバーやナッツ、大豆、ココアなどが挙げられます。通常通りの食生活をしていれば、銅欠乏症になることはほとんどありませんが、サプリメントなどで誤って大量摂取した場合は肝障害など健康を害する恐れがあるので注意しましょう。

おわりに:銅には嬉しい健康効果がいっぱい!

貧血や動脈硬化予防、さらには美容効果など、銅には嬉しい健康効果がたくさんあります。過剰摂取に気をつけつつ、銅を含んだ食材を日々の献立にしっかり取り入れましょう。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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