記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/4/12
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
スイカなどのウリ科の植物に含まれる「シトルリン」。サプリメントでも販売されていますが、このシトルリンにはむくみ予防や美肌効果など、特に女性に嬉しい効果がたくさんあると言われています。詳しくは以下でご紹介します。
シトルリンはアミノ酸の一種で、スイカなどのウリ科の植物に多く含まれています。
筋肉や内臓を構成しているタンパク質はアミノ酸が結合することでできており、アミノ酸の中には、タンパク質とは結合せずに、細胞や血液の中に存在する「遊離アミノ酸」があります。シトルリンは、この遊離アミノ酸の一種です。
シトルリンにはさまざまな効果があると言われており、まず血流を良くする効果があるとされています。血流が良くなることで、高血圧の抑制やむくみの改善といった効果が期待されます。さらに血流の改善は脳にも影響し、記憶力や集中力アップにつながるとも言われています。また、疲労の原因となるアンモニアを分解して排出する働きもあると言われており、疲労回復効果が期待できます。
血管は加齢とともに老化し、柔軟性がなくなっていきます。血管が老化して硬くなると動脈硬化の原因になります。血管が硬くなると、血液をうまく供給することができなくなり、心臓への負担が増加します。また、コレステロールなどが溜まり、こぶのようなものができます。その結果、血管の中がせまくなったり、詰まったりして、必要な酸素や栄養が体内に届けられずに、臓器や組織の働きが弱くなります。
この老化して硬くなった血管や動脈硬化に対して、シトルリンは有効であると言われています。人は体内で一酸化窒素というガスを作っており、一酸化窒素には血管を広げる作用があります。これにより血管が拡張すると、酸素や栄養素が体内でしっかりと運ばれるようになります。また、一酸化窒素には、血管にコレステロールなどが溜まるのを防ぐ働きもあります。そしてシトルリンは、この一酸化窒素を作り出す力を高める働きがあると考えられています。シトルリンによって一酸化窒素の生成が促進されれば、血管が拡張することで血流が良くなり、コレステロールが溜まるのが抑制されるため、動脈硬化の予防が期待できるのです。
肌の弾力やハリ、ツヤに影響を与えている物質を天然保湿因子と言います。天然保湿因子は、皮膚の角質層や角質細胞の中に存在し、皮膚の水分をキープする力を持っています。シトルリンは、この天然保湿因子を構成するアミノ酸の一種です。肌のハリやツヤは天然保湿因子の量などに影響をうけるため、シトルリンを摂取することは、美肌効果につながると言えます。
天然保湿因子を構成するアミノ酸としては、シトルリン以外にもグリシン、セリン、アラニンなどがありますが、それらはタンパク質として肌を構成しているアミノ酸です。遊離アミノ酸としてはシトルリンが最も多く、全体の約9%を占めています。
また、シトルリンには紫外線によるコラーゲンの過剰分解を抑える効果があると言われています。コラーゲンは肌を構成する栄養素の一つです。シトルリンによって過剰分解が抑制されれば、肌のハリを保つことができます。
シトルリンは動脈硬化の予防や高血圧の抑制、むくみの改善だけでなく美肌効果ももたらすと言われています。健康や若々しさの維持のために、サプリメントなどでの摂取を検討してはいかがでしょうか。