記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/3/30 記事改定日: 2019/5/17
記事改定回数:1回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
体内で必要とされるミネラルの一種「クロミウム」が体内で不足すると、どんな症状が現れる恐れがあるのでしょうか?
また、どんなタイミングで不足しやすいのでしょうか?以降で解説します。
クロミウムとは、人が活動するために必要なミネラルで、代謝に関わります。
クロミウムには3価クロムと6価クロムの2種類がありますが、6価クロムは人工的に生産されるもので、強い酸化作用があり、毒性が強く非常に危険な物質です。一方、3価クロムには、インスリン(体内の炭水化物、脂質、タンパク質の代謝や貯蔵に影響を与えるホルモン)の働きを助ける作用があることが知られています。
体内のクロミウムは、加齢とともに減少していきます。しかし、クロミウム(3価クロム)は多くの食品に含まれており、体が必要とする量も微量であるため、一般的な食生活を送っていれば、クロミウム不足が問題となることはありません。
ただし、体内のクロミウムはさまざまな要因で減少する場合があります。
例えば、単糖類が多く含まれる食事は体内クロミウムの排出量を増加させ、体内のクロミウム量を減少させます。単糖類とは最小単位の糖類のことで、ぶどう糖や果糖などがあげられます。
また、感染症、激しい運動、ストレス、妊娠、授乳などによってもクロミウムは減少します。
体内のクロミウムが不足すると、インスリンの働きや分泌量が正常にも関わらず、インスリンが十分な効果を発揮していない状態になり、糖の代謝異常が発症します。その他にも、脂質やたんぱく質の代謝異常、角膜の病気、動脈硬化などが発症する場合があります。
クロミウムを過剰摂取したとしても、健康上の問題はほとんど見られないと言われています。通常の食事から摂取されるクロミウム(3価クロム)は毒性が低く、また体内への吸収性も低いからです。
ところが、サプリメントなどで長期間にわたり過剰摂取した場合には、嘔吐や下痢、腹痛、頭痛、肝障害、中枢神経障害など、さまざまな症状が起きる可能性があります。
厚生労働省が提示している「日本人の食事摂取基準」において、特にクロミウムの耐用上限量(日常的に摂取し続けた場合に健康障害のリスクがないと考えられる上限の量)は定められていません。
これは、クロミウムが体に効果を及ぼすメカニズムや健康に必要な最適な量に関する研究が十分ではなかったためです。
通常の食事であれば、クロミウムを過剰摂取することはないと考えられますが、上記の諸症状のリスクから、サプリメントでの過剰摂取は控えた方がよいでしょう。
クロミウムがヒトの身体に及ぼす作用についてはまだまだ解明されていない点も多いとされていますが、インスリンの働きを促したり、炭水化物や脂質、タンパク質の正常な代謝にも関与していると考えられています。
クロミウムは健康維持のために必要な摂取量も明確になっていないため、サプリメントなどを使用すると過剰摂取となる可能性もあります。このため、食事から摂るのが最も健康的と考えられているのです。
クロミウムを多く含む食品には以下のようなものが挙げられます。
通常の食生活を送っている場合はクロミウム不足になることはまずないと考えられますが、上記のような食品を適度に摂るようにしましょう。
普通の食生活を送っていれば、クロミウムが不足することは基本的にはありませんが、単糖類に偏った食生活やストレス、妊娠などが原因でクロミウムが不足することがあります。
クロミウム不足も過剰摂取もさまざまな健康リスクを引き起こすので、サプリにはなるべく頼らず、健康的な食生活を心がけましょう。
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