記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/3/31
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
お茶やサプリなどで販売される「イチョウ葉エキス」。イチョウ葉エキスには血流改善効果があると言われていますが、これは本当でしょうか?イチョウ葉エキスが持つとされるさまざまな効果や、摂取時の注意点などを解説します。
イチョウ葉エキスとは、イチョウの葉を乾燥し、アルコールを使って成分を抽出したものです。イチョウは、2億5千万年も前から存在するといわれる太古の植物で、強力な生命力を持ちます。イチョウ葉エキスには血管を拡げて血流を改善する作用や、強い抗酸化作用があり、肩こり、冷え症、脳梗塞、認知症などの改善効果があると言われています。
イチョウ葉エキスに含まれる健康成分としては、フラボノイドとギンコライドの2種類があげられます。
フラボノイドとは、ポリフェノールの一種です。イチョウ葉エキスには、30種類のフラボノイドが含まれています。その中でも二重フラボンという成分は、血流改善の効果が非常に高いと言われています。イチョウ葉エキスにはこの二重フラボンが6種類も存在しており、高い血流改善効果が期待できます。また、フラボノイドは血管の材料となるコラーゲンやエラスチンの酸化を防ぐ作用があると言われています。酸化を防ぐことで柔軟性の高い血管を作ることができ、全身の血行促進につながります。
一方、ギンコライドとはイチョウ葉エキスのみに含まれる成分で、たんぱく質や脂質、DNAなどが酸素によって酸化されるのを防ぐ抗酸化作用があります。また、脳細胞を老化の原因になる活性酸素から守る働きがあるといわれています。さらに血小板が固まることを抑制することで血栓ができるのを抑制する効果があると言われています。
イチョウ葉エキスにはさまざまな効果があると言われていますが、代表的なものが血流改善効果です。イチョウ葉エキスには、血管を拡張させ、血小板の凝固を抑制し、活性酸素の生成を抑制する作用があり、これら3つの作用の相乗効果によって血流が改善できます。
また、血流が改善することで、さまざまな病気の予防や症状改善も期待できます。代表的なものを3つご紹介します。
一つ目が冷え性です。冷え性は血行不良が原因と言われています。イチョウ葉エキスによって血流改善することで冷え性の症状緩和が期待できます。
二つ目が脳梗塞です。脳梗塞は、血流が悪くなり栄養が脳細胞へ届かなかったり、血栓が脳内にできることで、発症リスクが高まります。イチョウ葉エキスには、血流改善作用や、血小板の凝固を抑制することで血栓ができにくくする作用があるので、脳梗塞の予防につながります。
三つ目が認知症です。認知症とは、脳に障害が起きることで知的能力が低下する病気のことです。イチョウ葉エキスには、脳を攻撃する活性酸素を除去する働きや、認知症の原因となる物質の蓄積を妨げる働きがあると言われており、認知症予防が期待できます。
イチョウ葉エキスを摂取する上で注意が必要なのは、アレルギー反応です。イチョウにはギンコール酸という物質が含まれていますが、この物質にアレルギー反応を起こす方もいます。イチョウに触れるとかぶれるのはギンコール酸のせいです。サプリメントの場合にはギンコール酸は取り除かれていますが、お茶の場合は取り除かれていないので注意が必要です。
また、ワーファリンなどの抗凝血剤を使用している場合には、効果が強まってしまう場合があります。イチョウ葉エキスを摂取は避けるようにしましょう。
イチョウ葉エキスには、フラボノイドとギンコライドという2種類の健康成分が含まれており、血流改善効果や抗酸化効果、冷え性や脳梗塞、認知症などの病気の予防・改善効果が期待できます。ただし、イチョウにはギンコール酸というアレルゲンが含まれているので、アレルギー体質の人などはイチョウ葉エキス茶の摂取に注意が必要です。