記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/4/7
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
サプリなどで販売されており、知名度の高い「グルコサミン」。では、グルコサミンを摂取するとどんな効果が得られるのでしょうか?副作用の話も含めて解説していきます。
グルコサミンとはアミノ糖という物質の一種で、人体の中でブドウ糖を原料にして作られます。軟骨や爪、靭帯などに存在していますが、年齢を重ねるにつれて減少していきます。軟骨成分であるヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸の原料になり、軟骨の構成成分のひとつとして重要な役割を果たしています。
近年グルコサミンの研究が進んでおり、どのように関節や軟骨に作用するかのメカニズムの解明が進んでいます。研究の中で、グルコサミンは軟骨成分の原料になるだけではなく、軟骨の修復を促進したり、炎症を鎮める働きがあることが分かってきています。
グルコサミンはサプリメントとしても市販されており、一般的にはエビやカニの殻に含まれるキチンという物質を原料に作られます。他にも微生物によるキチンを原料にして作られる場合もあります。この場合は発酵由来のグルコサミンと呼ばれ、エビやカニのアレルギーがある方も摂取できます。
グルコサミンには大きく2つの効果があると言われています。
一つ目が、関節痛を改善する効果です。グルコサミンは軟骨に作用し、軟骨のクッションに当たる部分を修復することで、軟骨の摩擦が低減すると言われています。その結果、関節痛の痛みや腫れの緩和効果が期待でき、膝を守ることなども期待できます。
二つ目が、軟骨の強度や柔軟性の向上効果です。スポーツなどで同じ動きを繰り返すと、特定の部位に負荷がかかり、軟骨がすり減りやすくなります。グルコサミンは、関節部分の細胞の新陳代謝を活発にする働きがあると言われており、積極的に摂取することで軟骨の強化が期待できます。
なお、これらの効果以外にも炎症を抑える作用や、血小板の凝固を抑制する効果などがあるとも言われています。グルコサミンには様々な効果が期待されていますが、まだ研究段階です。
グルコサミンは、カニやエビなどの甲殻類の殻に含まれるキチンという物質や、ヤマイモのネバネバ成分であるムコ多糖に多く含まれています。
先述の通り、グルコサミンを含む食品やサプリメントは、カニやエビなどの甲殻類を原料にしたものが多いです。そのため、甲殻類にアレルギー反応がみられる人には摂取に注意が必要です。原料をチェックしたり、少量の摂取から徐々に量を増やしたりなどし、アレルギー反応が出ないようにしましょう。
なお、グルコサミンを摂取することで重篤な副作用が出たという報告は現段階ではありませんが、まれに胃の不快感や食欲減退などの症状が現れることがあります。もし、副作用が出てしまった場合には、早急に病院を受診しましょう。
まだ研究段階ではありますが、グルコサミンには、関節痛を改善する効果や軟骨の強度や柔軟性の向上効果などが期待されています。サプリメントはエビやカニが原料の場合が多いので、甲殻類アレルギーがある人は摂取の際注意しましょう。