クエン酸の「キレート作用」でカルシウムなどの吸収率が高まる?!

2018/4/1

山本 康博 先生

記事監修医師

東大医学部卒、独立行政法人国立病院機構東京医療センター

山本 康博 先生

疲労回復効果やダイエット効果があるとして、サプリなどで人気の「クエン酸」。実はこのクエン酸の持つ「キレート作用」が、カルシウムの吸収率を上げる方法として注目を集めています。詳しくは以降で解説していきます。

クエン酸とクエン酸回路

細胞の中のミトコンドリアでは、摂取した食べ物を酵素やビタミンで分解する過程の中でエネルギーを生み出しています。この仕組みをクエン酸回路(TCAサイクル)といいます。

クエン酸は、このクエン酸回路の中で着火剤の役割を担っており、人間が生きていくために必要なエネルギーをつくり出すために必要不可欠な成分です。レモンをはじめ、柑橘類に多く含まれています。

クエン酸にはどんな効果があるの?

クエン酸にはさまざまな効果がありますが、その中でも代表的なものを4つご紹介します。

エネルギーの産出

一つ目が、エネルギーを生み出す効果です。人は約60兆の細胞からできていますが、エネルギーをしっかりと生み出すにはそれぞれの細胞で先述のクエン酸回路が正常に行われることが重要であり、クエン酸はそのサポートをしてくれます。

ダイエット効果

二つ目がダイエット効果です。クエン酸を摂取することでクエン酸回路が活性化し、代謝向上につながると考えられています。逆に不規則な食生活などでクエン酸回路が鈍くなってしまうと、エネルギーがうまく作り出せず、摂取した糖や脂質、タンパク質などが燃焼されなくなります。その結果代謝が悪くなってしまいます。

疲労回復効果

三点目が、疲労回復効果です。疲労とは、普段弱アルカリ性である体が酸性に傾き、疲労の原因となる有害物質が体内に溜まっている状態です。クエン酸によってクエン酸回路が活性化すると、この有害物質が減少すると考えられています。

筋肉痛の予防

四つ目が、筋肉痛の予防効果です。筋肉痛の原因は乳酸と言われていますが、クエン酸によってクエン酸回路が活性化すると乳酸の発生が抑制されると言われています。このため、運動時にクエン酸を摂取することで筋肉痛を予防する効果があると言えます。クエン酸を多く含む食品としては、酢、レモンやみかんなどの柑橘類、梅干しがあげられます。

クエン酸はカルシウムやマグネシウムの吸収率を高めるって本当?

カルシウムやマグネシウムなどの金属ミネラルは一般には吸収されにくい成分ですが、クエン酸は体内のカルシウムやマグネシウムに作用し、体内に吸収されやすい形に変える働きがあります。このことを「キレート作用」といいます。

例えば、鉄はキレート作用によってヘム鉄というキレート化合物へ変化します。ヘム鉄は鉄と比べて体内への吸収性が高いので、この理論を応用すれば、高齢者の方々を悩ませる骨粗しょう症の予防効果も期待できます。

また、「キレート作用によってカルシウムの可溶性を高め、小腸からのカルシウムの吸収が促進されやすくなる」という研究結果も発表されています。

おわりに:クエン酸にはさまざまな健康効果が。今後、医療への応用が期待される

エネルギーを生み出す効果やダイエット効果、疲労回復効果などさまざまな効果が期待されるクエン酸。また、クエン酸によるキレート作用を応用することで、今後さらなる健康効果も得られると考えられています。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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