キハダに期待されている効果とは?

2018/4/6

山本 康博 先生

記事監修医師

東大医学部卒、独立行政法人国立病院機構東京医療センター

山本 康博 先生

キハダとは、日本各地に生えているミカン科の樹木のことを指します。こちらの記事では、キハダに含まれる「黄柏」と呼ばれる成分や、その効能、使われ方などについて解説します。

キハダはどのような植物?

キハダとは、ミカン科キハダ属の落葉高木(らくようこうぼく)です。日本各地の山に広く分布しており、中国や朝鮮半島といったアジア北東部にも自生しています。灰褐色で分厚いコルク層の幹や楕円形の小さな葉を持ち、樹皮の内側が黄色であることが特徴です。

キハダのコルク層を取り除いて内皮を乾燥させたものを「黄柏・黄檗(おうばく)」といい、黄柏は古来より薬効があるとされ、胃や腸の調子を整えたり、神経痛を和らげたりするための漢方薬などに用いられてきました。なお、黄柏は現在でも以下のような漢方薬に用いられています。

・黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
・加味解毒湯(かみげどくとう)
・柴胡清肝湯(さいこせいかんとう)
・温清飲(うんせいいん)
・荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)

キハダにはどのような成分が含まれている?

キハダには、「ベルベリン」という成分が含まれています。ベルベリンとは、鮮やかな黄色と非常に強い苦みという特徴を持つ、アルカロイド(植物から取れる、窒素を含む塩基性の有機化合物)の一種です。ベルベリンには以下のような作用が認められています。

・抗菌作用
・抗炎症作用
・中枢神経抑制作用
・血圧降下作用

キハダの抗菌作用は強く、チフスやコレラ、赤痢といった病原菌に対しても効果があり、腸内の病原菌の増殖を抑制したり、病原菌を殺したりする作用があります。そのため、以前から現在まで、下痢止めや整腸剤として長く使用されています。

キハダには強い苦みがあることから眠気覚ましとして使われたり、その鮮やかな色味のために染料として使われたりしたこともありました。このほか、打撲傷や関節リウマチ、やけどなどへの外用消炎薬としても用いられています。

キハダの効果とは?

キハダに期待されているのは、以下のような効果です。

消化の促進

キハダには、唾液や胃液、膵液といった消化液や胆汁の分泌を促す作用があり、食欲を増進させたり消化を助けたりする作用があるとされています。ただし、キハダは非常に苦く、煎じたものをそのまま飲むのは難しいため、粉末に加工されているものを服用するのが一般的です。

下痢症状の改善

キハダの効果のひとつは抗菌作用です。そのため、細菌が原因の急性腸炎などにも効果があるとされています。実際に、下痢が止まらない時などに処方される漢方薬にも黄柏が含まれています。

炎症の抑制

キハダには抗炎症作用や中枢神経抑制作用があります。そのため、うちみにキハダのペーストを塗布したり、関節リウマチや腰痛などでつらい時にキハダを含む湿布薬や入浴剤を使用したりすることで症状が和らぐとされます。

おわりに:キハダは下痢止めや炎症止めとして使用されている

キハダという名は聞きなれないかもしれませんが、古くから整腸剤や下痢止め、炎症止めなどとして使用され、現在でも多くの漢方薬に使用されている樹木です。お腹の調子が悪い方やリウマチなどでつらい方は、漢方の取り扱いのある病院で処方について相談してみることをおすすめします。

この記事に含まれるキーワード

腰痛(101) 下痢(160) 関節リウマチ(19) 漢方薬(71) ベルベリン(3) キハダ(2) 整腸作用(4) 外用消炎薬(2) 抗菌(1) 抗炎症(1) うちみ(1)