記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/3/28
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
トリートメントオイルなどにも配合され、女性からの人気の高い「ローズオイル」。このローズオイルには、いったいどんな健康効果や美容効果が期待できるのでしょうか?おすすめの使い方と併せて解説します。
ローズオイルは、香り高い薔薇(バラ)の花びらを蒸し、そこから上がってくる水蒸気を冷却することによって採取します。バラを蒸留したときにできる水滴の表面には、うっすらとローズオイルが浮き上がっているのです。
ローズオイルの歴史は古く、世界三大美女のひとりと謳われる、古代エジプトを統治したファラオ、クレオパトラもローズの香りを愛したといわれます。大量のバラの花びらから、わずかしか採れないローズオイルを、全身にたっぷり塗っていたといわれますから、そのありさまには美意識の高さだけでなく、権力の誇示も含まれていたはずです。
バラの香りは、少なくとも300種類の化学成分が複雑に絡み合ってできあがっています。化学的に近い芳香をつくることはできますが、現在の科学技術をもってしても、バラの香りを完璧に再現することはできません。
ローズオイルは、その芳香で体臭を抑えることができます。ローズオイルを体内に取り入れたとき、その主成分のゲラニオールが、汗と一緒に皮膚から発散されるのです。そのため、サプリメントなどとして服用すれば、体臭の緩和効果が期待できます。
また、ローズオイルの主成分「ゲラニオール」は、女性ホルモンの分泌をつかさどる視床下部や脳下垂体を刺激します。その作用によって、女性ホルモンの乱れを修復し、女性特有の諸症状を快復させる機能も認められています。
同じくローズオイルの成分である「ネロール」には、肌の調子を整え、血流や保湿性を改善させる美容効果がありますし、硬く凝った筋肉をほぐすリラックス効果も期待されます。
美容効果や体質改善が目的の場合は、基本的にはサプリメントでの服用になります。サプリのほかには、ローズオイルを配合したトリートメントオイルもおすすめです。皮膚に塗ると全身がリラックスしますし、その香りを吸うことで心身の緊張感やストレスが緩和されていきます。いつもお使いのトリートメントオイルに、ローズオイルを数滴混ぜることでも、同様の効果を得ることができます。
また、容器にお湯を張って、そこにわずかなローズオイルを垂らすだけでも、部屋じゅうに幸せな芳香が広がり、仕事や人間関係で高ぶった気持ちを落ち着かせることができます。
ただ、体調がすぐれないときや妊娠中の方は、ローズオイルの影響で気分が悪くなってしまう場合があります。また、ローズオイルが体質に合わない方は、肌に触れることで、かえって赤く腫れるなどのトラブルを引き起こしかねません。事前に、わずかなローズオイルを皮膚に付けて反応を見る「パッチテスト」を行うことを推奨します。
ローズオイルは時代を超えて、世界中の女性たちを魅了してきました。その香りは多幸感をもたらすだけでなく、含まれる成分がさまざまな効能や健康効果をもたらすこともわかっています。あなたも一度、日々の生活にローズオイルを取り入れてみてはいかがでしょうか。