記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/4/4
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
ダイエット中の方や、健康志向の方から今注目を集めている「甜茶(てんちゃ)」。甜茶には、どんな効能が期待できるのでしょうか?購入時の注意点と併せてご紹介します。
甜茶(てんちゃ)は、中国を原産とするバラ科のテンヨウケンコウシ(甜葉懸鉤子)や、アカネ科、ブナ科、ユキノシタ科などの植物の葉から抽出される薬草茶です。甜茶の「甜」には甘いという意味が含まれており、中国では旧正月など、暮らしの節目に飲む甘みのある中国茶として知られます。テンヨウケンコウシは、山岳地帯に自生するなど原料を採るのが難しいため、中国では古くから貴重なお茶としても珍重されてきました。
近年、日本でも甜茶が注目されているのは、ノーカロリー、ノンカフェインで、ダイエット中の方や子供でも安心して飲める点もさることながら、テンヨウケンコウシの成分に、アレルギー症状をやわらげる健康効果があるとわかってきたからです。
甜茶ポリフェノールには、皮膚のかゆみや鼻水などを引き起こす人体内の伝達物質であるヒスタミンの分泌を抑制する効果があります。つまり、アレルギーの症状を元から絶つことができるため、気管支喘息や花粉症、アトピー性皮膚炎などの症状改善が期待されます。
もちろん、医薬品のような即効性はありませんが、強い副作用もほとんどありません。甜茶の注目度が高まるにつれて、アレルギー症状の治療と並行して甜茶を飲むのを習慣にする方も増えています。
甜茶の甘味成分であるルブソシドは、砂糖よりもはるかに強い甘みを舌に感じさせるにもかかわらず、カロリーが実質的にゼロなので、肥満の予防に効果があるとされます。ダイエット中に飲んでも、甜茶のせいで太ることはありませんし、その甘みが苦しいダイエットの心理的ストレスを緩和させてくれるでしょう。また、糖尿病の治療中の方でも安心して飲んでいただけます。
甜茶には確かに花粉症の緩和などの健康効果が期待されますが、あくまでも「テンヨウケンコウシ(甜葉懸鉤子)」による効果です。市場には、テンヨウケンコウシが含まれていない甜茶も出回っています。それも甜茶には違いないのですが、健康効果があるとは限らないため、どの葉が入っているかは購入前に必ず確認しましょう。テンヨウケンコウシはバラ科の植物なので、茎にとげが付いているのが特徴です。
花粉症の対策として、甜茶は、スギ花粉などが飛び始める時期の1カ月前から飲み始めると、効果を実感しやすいです。甜茶の葉3gほどを、500ccの熱湯500mlで3分ほど煮立てて、食間や就寝前に飲むようにするといいでしょう。
甜茶には、アカネ科、ブナ科、ユキノシタ科などの植物の葉が使われていることもあります。その独特の甘みを楽しむために飲むのなら構いませんが、甜茶ポリフェノールの健康効果を得るためには、バラ科の「テンヨウケンコウシ(甜葉懸鉤子)」が含まれる甜茶の葉を選ぶようにしましょう。甜茶にはカルシウムや亜鉛、鉄分などのミネラルも豊富に含まれており、その点でも健康的な飲み物です。