S-アデノシル-メチオニン(SAMe)の効果とは?

2018/4/6

山本 康博 先生

記事監修医師

東大医学部卒、独立行政法人国立病院機構東京医療センター

山本 康博 先生

サプリでも販売されている、アミノ酸の一種「S-アデノシル-メチオニン(SAMe)」。今回の記事では、SAMeに期待される効果や、摂取上の注意点などを解説します。

S-アデノシル-メチオニン(SAMe)とは?

これは、S-adenosylmethionineを略したSAMeから「サムイー」や「サミー」とも呼ばれる、アミノ酸の一種をいいます。必須アミノ酸であるメチオニンが体内で変換されてつくられる物質です。

SAMe(S-アデノシル-メチオニン)は、肝臓や脳に多く含まれており、人体を維持するために必要なホルモンやDNAを合成するだけでなく、うつ病や関節疾患、アルコール性肝障害などの症状改善に効果があるといわれている注目のアミノ酸です。

SAMeの効果とは?

SAMeは、主に以下の効果をもたらすと考えられています。

変形性関節症の改善

加齢や運動のしすぎによって、膝や股などの関節を保護する軟骨が磨り減り、痛みを引き起こす「変形性関節症」は、歩行困難をもたらします。さらには活動するのをおっくうに感じさせ、QOL(生活の質)を低下させてしまいます。しかし、その変形性関節症の炎症を抑え、症状を改善させるのに、SAMeは効果を発揮します。

SAMeは軟骨をつくるグルコサミンやコンドロイチンなどの物質の効果を高め、軟骨化を促進する働きもありますので、これらの物質を含むサプリメントと一緒に飲むといいでしょう。

肝臓のサポート

人体でSAMeを最も多く含んでいるのが肝臓です。肝臓の中で、SAMeの一部はグルタチオンという物質に変化します。グルタチオンは、体内に入ってきた有害物質を解毒して、排泄のために腎臓に送る肝臓の主要な機能を支えています。有害物質の中にはアルコールも含まれるため、SAMeを摂取することで二日酔いの予防にもなります。

肝臓が有害物質を解毒する際、細胞を老化させる活性酸素が多く発生します。この活性酸素が肝細胞に慢性的なダメージを与えて、肝炎などの深刻な症状を引き起こしかねません。ただ、SAMeには活性酸素を除去する抗酸化作用もありますので、二重の意味で肝臓の働きをサポートし、保護しているのです。

SAMeはうつ病に効く?

うつ病にかかった方の脳内では、精神の安心感をつかさどるセロトニンなどの機能低下が起きています。そしてSAMeは、脳内のセロトニンの分泌、代謝を促進する効果が認められるため、うつ病を改善させるものと考えられます。

ただ、SAMeを増やしたからうつ病が軽くなったという、原因と結果のメカニズム(作用機序)はまだ明らかになったとはいえません。SAMeと抗うつ薬と併用したときに効果が高まるのか、それとも減殺されてしまうのもわかっていないので、さらなる研究成果が待たれます。

SAMeを摂取する際の注意点とは?

SAMeは摂取しすぎると、頭痛や下痢、嘔吐などの副作用がありますが、摂取すべき分量を守っていれば問題はありません。抑うつ症状や肝疾患を改善させるためには1日に1,600mgの摂取が上限とされています。

ただ、他の医薬品などとの飲み合わせの相性は、完全に解明されているわけではありません。他の薬やサプリメントと併せて服用するときは、必ず医師に相談しましょう。

おわりに:うつ病や関節症などへの効果が期待されるSAMe。ただ、摂取にあたっては医師と相談を

SAMeは、うつ病や関節症、肝疾患などの治療が難しい病気に作用し、改善させる効果が期待されているアミノ酸です。ただし、本来は体内で生成される物質であるため、SAMeをサプリメントなどで追加的に服用することによる副作用がまだ完全に解明されていない点には、厳重に注意する必要があります。

この記事に含まれるキーワード

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