ノコギリヤシに期待されている効果とは?薄毛予防に効果的って本当?

2018/4/6

山本 康博 先生

記事監修医師

東大医学部卒、独立行政法人国立病院機構東京医療センター

山本 康博 先生

薄毛予防に効果があるとして、男性から注目を集めている「ノコギリヤシ」。果たしてノコギリヤシには、どんな効果が期待できるのでしょうか?注意すべき副作用の問題などと併せて解説します。

ノコギリヤシとは?

ノコギリヤシは、北アメリカ大陸が原産であるヤシ科の植物です。古くから滋養強壮の効果があるとして、人々の暮らしの中で使われてきました。

近年、医学の進展とともに、ノコギリヤシにはコレステロール値を下げて、男性ホルモンの分泌バランスを調整する機能があることが分かってきました。ノコギリヤシから抽出されたエキスには、前立腺肥大症などの泌尿器系疾患や、男性型脱毛症(AGA)などを改善させる効果があるとされています。また、オレイン酸を多く含むため、コレステロールを下げる働きもあります。

ノコギリヤシの効果とは?

ノコギリヤシのエキスには、男性ホルモンのテストステロンが変質した「ジヒドロテストステロン(DHT)」を増殖させる酵素「5-αリアクターゼ」の働きを抑制する効果があります。

このジヒドロテストストロンや5-αリアクターゼが活性化することで、男性の体内で起きやすくなるのが、前立腺肥大症やAGAです。AGAは、頭髪が5~6年かかって抜け替わる発毛サイクルをジヒドロテストステロンが阻害して、頭髪が抜けるペースを早めることで起きます。

また、前立腺の肥大も、前立腺細胞の中にジヒドロテストステロンが増えていくことで、細胞が異常な増殖を見せることによって起きます。

つまり前立腺肥大症とAGAは原因がほぼ共通しているので、5-αリダクターゼの発生を抑制し、ジヒドロテストステロンを増殖させないノコギリヤシの成分によって、一石二鳥で効き目を発揮することが期待されています。ただし、あくまで健康効果として期待されているにすぎず、医学的な治療法として未だ確立されているわけでない点には注意が必要です。

ノコギリヤシと亜鉛を併用すると発毛が促進される?

頭髪や頭皮は主にたんぱく質でできており、亜鉛にはたんぱく質の生成を促す機能があります。よって、亜鉛には頭髪や頭皮を健康に保ち、脱毛を防ぐ働きがあると考えられます。

亜鉛は生命維持に必須のミネラルで、体内で絶えず消費されますが、貯蔵することができません。つまり、日々の食事などから亜鉛を摂取し続ける必要があります。なお、アルコール依存症や消化器疾患の患者さんや妊婦さんは亜鉛不足になるおそれがありますが、普通の食事を摂っていれば亜鉛不足に陥ることはまずありません。

また、「亜鉛のサプリメントをノコギリヤシエキスと一緒に摂取すれば、発毛が促進される」といわれることがありますが、それを医学的に立証した研究は存在しません。むしろ、貧血や神経症のリスクなど、亜鉛の長期的な過剰摂取がもたらしうる副作用に注意を払うべきです。

ノコギリヤシに副作用はあるの?

ノコギリヤシは医薬品ではないので副作用は起きにくいです。ただ、ノコギリヤシをたくさん摂れば脱毛症状がなくなるのではないかと期待し、根拠なく過剰に摂取すると、腹痛や下痢、便秘、めまいなどの副作用を引き起こすおそれがあります。

また、ノコギリヤシには血液の粘性を低下させ、血行を促進する働きがあります。よって、同様の薬効がある抗血小板薬や抗血液凝固薬などと一緒に服用しないよう注意してください。

おわりに:男性の薄毛などへの改善効果が期待されるノコギリヤシ。過剰摂取に注意を

ノコギリヤシは、男性のアンチエイジングに効く植物として注目されています。男性ホルモンの一種であるテストステロンの変成を防いで、AGAや前立腺肥大症を予防する効果があるとされているからです。ただし、多く摂れば摂るほど効果が増大するものではありませんので、サプリなどでの服用の際にはご注意ください。

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