疼痛性障害はどんな状態のこと?原因がわからないって本当?

2018/5/10

山本 康博 先生

記事監修医師

東大医学部卒、独立行政法人国立病院機構東京医療センター

山本 康博 先生

検査で異常が見つからないのに、頭や手足などの痛みが続く場合、「疼痛性障害」の可能性があります。今回の記事では、疼痛性障害の特徴や原因、治療法などについて解説していきます。

疼痛性障害とは?

疼痛性障害は身体表現性障害の一種で、精密な検査を行っても痛みの原因がはっきりしない場合に診断されます。精神疾患に分類されていますが、疼痛性障害で生じる痛みは気のせいではなく、実際に激しい痛みを伴うことも多いです。

最近は脳機能障害として捉えられるようになっており、一部の脳内の神経伝達物質が過剰に反応したり、先天的に遺伝子に異常があることで痛みが発生していると考えられています。

疼痛性障害の特徴や原因について

疼痛性障害の特徴的な症状は、ヒリヒリした痛み、締め付けられるような感覚、熱っぽさなどさまざまです。頭部、顔面、背中、手足などいろいろな場所に痛みを生じ、全身が痛むこともあります。

発症のきっかけは怪我や事故による怪我、手術後に起こることが多く、突然激しい痛みに襲われて、数週間から数ヶ月かけてだんだんと悪化していくのが一般的です。また、痛み止めを使用しても改善されず、慢性化していくことも多々あります。

原因が特定できないため、周りからは気のせいや仮病などと言われてしまい、理解されにくい病気です。家族や友人、職場からの理解が大切になります。

疼痛性障害を含む、身体表現性障害はどうやって治療するの?

先述の通り、疼痛性障害は身体表現性障害の一種です。身体表現性障害とは、ストレスが身体症状となって現れる病気のことで、大まかに、心気症や身体醜形障害といった「精神的な歪みが強いタイプ」と疼痛性障害のような「身体症状が強いタイプ」に分かれます。前者の場合は物事の捉え方自体に歪みが生じているので、精神療法を行う必要があります。一方後者の場合は、精神と身体の薬を適宜併用し、改善させていきます。

なお、具体的な薬としては、精神薬ではセルトラリンやエスシタロプラムといった抗うつ薬や、クロナゼパムなどの抗不安薬、身体症状に対しては筋弛緩薬や胃腸薬などが投与されます。また薬物療法のほかに、認知行動療法や森田療法といった心理療法も実施する場合があります。

おわりに:疼痛性障害を治すには、痛みの治療だけでなく精神面へのアプローチも必要

疼痛性障害は検査で異常が見つかるわけではないので、実際は痛みがあるにも関わらず仮病と扱われたり、周囲の人から理解を得られにくい疾患です。治療のためには、身体の痛みに対する対症療法だけではなく、精神的な問題へのアプローチもすることが重要です。該当する症状でお悩みの方は、ぜひ専門外来を受診してみてください。

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